セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 033:

肺塞栓を契機に判明した小腸癌の一例

演者 川崎 優也(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター)
共同演者 森谷 勲(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター), 田中 淳一朗(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター), 笠井 智佳(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター), 大矢 由美(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター), 井上 英和(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター), 伊藤 信康(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター), 高瀬 幸次郎(地方独立行政法人 三重県立総合医療センター)
抄録 【症例】56歳,男性【主訴】呼吸苦、胸腹部不快感、右側腹部痛【現病歴】来院2週間前より腹部違和感が出現。階段を登行時に気分不良・呼吸苦が出現し倒れていたところを発見され救急搬送。【現症】意識状態:JCS-1、BT:35.7℃、HR89bpm、BP:78/56mmHg、SpO2:96%(mask9L)、肺音:清、腹部:膨満・やや硬、右側優位に圧痛(+)、筋性防御(+)【経過】来院当初、低酸素・ショック状態であり、CTにて両側肺塞栓 左膝窩静脈血栓、腹水を認めた。酸素吸入・大量輸液・抗凝固療法により急性期は離脱した。腹水穿刺にてCEAの著明な上昇を認め、腹水細胞診にて腺癌の所見を認め、癌性腹膜炎と診断した。入院時造影CT、PET-CTでは大網は不均一に造影され、右側腹部、直腸にも同所見を認めた。上部・下部内視鏡検査では異常所見を認めず、小腸内視鏡にてTreitz靭帯より20cm肛門側に小腸癌(高-中分化腺癌)を認めた。第31病日よりS1+cisplatinによる化学療法を開始した。その後、病変部で生じた狭窄に対して第80病日に小腸ステントを留置した。化学療法は2コース終了後、継続困難となったため中止し、第160病日に永眠された。【考察】悪性腫瘍に合併する血栓塞栓症の頻度は、1-11%程度で消化管癌、膵癌、肺癌で合併率が高い。【結語】肺塞栓を契機に発見された小腸癌の一例を経験したので報告する。
索引用語 小腸癌, 肺塞栓