セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 041:

右腋窩粘液型脂肪肉腫の術後5年に小腸転移をきたした1例

演者 今神 透(名古屋市立大学病院)
共同演者 佐藤 幹則(名古屋市立大学病院), 柴田 孝弥(名古屋市立大学病院), 田中 達也(名古屋市立大学病院), 小川 了(名古屋市立大学病院), 宮井 博隆(名古屋市立大学病院), 坂本 宣弘(名古屋市立大学病院), 原 賢康(名古屋市立大学病院), 高橋 広城(名古屋市立大学病院), 石黒 秀行(名古屋市立大学病院), 松尾 洋一(名古屋市立大学病院), 岡田 祐二(名古屋市立大学病院), 木村 昌弘(名古屋市立大学病院), 竹山 廣光(名古屋市立大学病院)
抄録 症例は74歳の男性。2007年2月に直腸癌に対して腹仙骨式直腸切断術を施行(fStage II)。同年11月右腋窩粘液型脂肪肉腫 (Myxoid liposarcoma)切除術を施行。外来にて経過観察していたが、2009年5月にPET-CTにて右骨盤壁に集積を認め、閉鎖孔リンパ節転移と診断された。手術非切除となり合計61Gyの放射線治療を施行。補助療法としてmFOLFOXを15サイクル施行。2010年8月に右肺に腫瘍を認めたため右中葉部分切除術を施行、病理は直腸癌肺転移であった。肺部分切除部位に局所再発が疑われたため、2012年1月に右中葉切除と上葉部分切除を施行、病理は直腸癌肺転移であった。補助化学療法は施行しなかった。同年6月に左舌区に結節影が出現したため、放射線治療を合計50Gy施行。2013年4月にCTにて右骨盤内で周囲小腸を圧排性に増大する48mm×36mmの腫瘤影が出現、2013年7月に58mm×57mmへと増大傾向を認めた。またPET-CTでも同部位に集積を認めた。直腸癌または腋窩脂肪肉腫の転移性腫瘍、GISTが鑑別に挙げられた。2013年8月に手術を施行、開腹すると、小腸腸間膜付着部より圧排性に発育する7cm×5cmの腫瘍を認めた。小腸を2群リンパ節郭清を伴う部分切除をして手術を終了した。病理では小腸の筋層から漿膜に及ぶ大きさ7.5×4.5×4.0cmの比較的境界明瞭な腫瘍であり、円形~類円形の腫瘍細胞の増殖を認めた。免疫染色ではc-kitは陰性、CD34は陰性であったが、S-100蛋白は散在性に弱陽性であった。既往の腋窩粘液型脂肪肉腫と組織学的類似性がみられたため腋窩粘液型脂肪肉腫の小腸転移と診断された。術後化学療法は施行していないが、再発を認めず経過している。脂肪肉腫の小腸転移症例は稀であり、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 脂肪肉腫, 小腸転移