セッション情報 |
一般演題(専修医(卒後3-5年))
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タイトル |
023:Von Recklinghausen病に合併した十二指腸副乳頭部神経内分泌腫瘍の一例
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演者 |
北御門 加奈(労働者健康福祉機構 中部労災病院) |
共同演者 |
細野 功(労働者健康福祉機構 中部労災病院), 森本 剛彦(労働者健康福祉機構 中部労災病院), 宿輪 和孝(労働者健康福祉機構 中部労災病院), 児玉 佳子(労働者健康福祉機構 中部労災病院), 村瀬 賢一(労働者健康福祉機構 中部労災病院) |
抄録 |
【はじめに】VonRecklinghausen病(以下VRD)は、消化管の神経原性悪性腫瘍を合併することがよく知られているが、今回われわれはVRDに合併した十二指腸副乳頭部の神経内分泌腫瘍の1例を経験したので報告する。【症例】63歳女性【現病歴】以前よりVRDと診断されていたが、精査や定期的通院はしていなかった。骨粗鬆症、筋緊張性頭痛などで近医に通院中で、2013年6月中旬に貧血の進行を指摘され、当院に紹介された。自覚症状はなく、身体所見では全身皮膚に多発する弾性軟の結節および褐色斑を認め、腹部は平坦軟で腫瘤は触知しなかった。血液検査ではHb 10.3g/dlと軽度の貧血を認めたが、肝胆道系酵素や膵酵素は正常範囲内で、腫瘍マーカーはPro-GRPが109.1pg/mL、内分泌検査は血清ガストリンが470pg/mLと軽度上昇していた。上部消化管内視鏡検査では、十二指腸副乳頭部に表面に不整陥凹を伴う約15mm大の結節隆起を認め、CTでも同部位に軽度造影効果のある20mm大の腫瘤を認めたため、精査目的で8月下旬に入院となった。【経過】胸腹部CTでは肺や肝に転移を疑う所見はなく、ERCPでは総胆管や主膵管に狭窄、拡張、壁不整などの所見はみられず、副乳頭からの生検で神経内分泌腫瘍(CD56(+)、Synaptophysin(+))と診断した。下垂体、甲状腺、副腎などに病変がないことを確認し、VRDに合併した十二指腸副乳頭部の神経内分泌腫瘍と診断し、外科的治療を行った。【考察】十二指腸副乳頭腫瘍はきわめて稀な腫瘍であるが、VRDに合併した神経内分泌腫瘍のほとんどが十二指腸に発生するとの報告がある。神経内分泌腫瘍に対する根治的治療法は手術療法であり、VRDに合併した神経内分泌腫瘍はリンパ節転移を伴うことが多いとの報告もあり、定期的なサーベイランスが重要である。 |
索引用語 |
VonRecklinghausen病, 神経内分泌腫瘍 |