セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 112:巨大肝嚢胞の圧排による門脈圧亢進で発症した食道静脈瘤の1例 |
演者 | 諏訪 兼彦(静岡市立静岡病院 消化器内科) |
共同演者 | 白鳥 安利(静岡市立静岡病院 消化器内科), 近藤 貴浩(静岡市立静岡病院 消化器内科), 黒石 健吾(静岡市立静岡病院 消化器内科), 吉川 恵史(静岡市立静岡病院 消化器内科), 大野 和也(静岡市立静岡病院 消化器内科), 濱村 啓介(静岡市立静岡病院 消化器内科), 高橋 好朗(静岡市立静岡病院 消化器内科), 田中 俊夫(静岡市立静岡病院 消化器内科), 小柳津 竜樹(静岡市立静岡病院 消化器内科) |
抄録 | 今回我々は、1個の巨大肝嚢胞の圧排により門脈圧亢進症が生じ、更に門脈圧亢進により生じた食道静脈瘤の破裂による上部消化管出血を経験したので報告する。 症例は70歳代男性。平成23年12月、タール便を主訴に近医より紹介受診した。内視鏡検査で食道静脈瘤破裂による出血と診断した。出血は保存的に回復したが、腹部CT検査で肝左葉の巨大肝嚢疱により門脈が圧排されており、そのために生じた門脈圧亢進が食道静脈瘤の原因と思われた。そのため、肝嚢胞穿刺ドレナージを施行し、約1000mlの混濁した排液を認めた。排液後、嚢胞内にミノマイシンを注入し嚢疱縮小を試みた。その結果、肝嚢胞は一時的に縮小したが、その後再び拡大した。そのため24年4月腹腔鏡下肝嚢胞天蓋切除術を施行した。その結果、肝嚢胞は消失した。肝嚢胞ドレナージ以降、門脈圧亢進症は改善し、食道静脈瘤も消失した。門脈圧亢進の原因として、単独の嚢胞の圧排による門脈圧亢進はまれであり、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 肝嚢胞, 門脈圧亢進 |