セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 017:保存的治療にて治癒した胃迷入膵の膵炎の1例 |
演者 | 山本 和弘(豊橋市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 山本 英子(豊橋市民病院 消化器内科), 木下 雄貴(豊橋市民病院 消化器内科), 鈴木 博貴(豊橋市民病院 消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院 消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院 消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院 消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院 消化器内科), 松原 浩(豊橋市民病院 消化器内科), 山田 雅弘(豊橋市民病院 消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院 消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院 消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院 消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】35歳女性、22週2日の妊婦【主訴】上腹部痛、背部痛【既往歴】特記事項なし【現病歴】2012年6月上腹部痛、背部痛を主訴に来院。【所見・経過】来院時、心窩部に圧痛を認めるが、反跳痛や筋性防御は認めなかった。血液生化学検査所見ではアミラーゼは正常範囲内であったものの、白血球数9940/μl、CRP8.48mg/dLと炎症反応の上昇を認めた。腹部エコーでは胃角後壁側に壁外性発育を呈する内部不均一な37mm大の低エコー腫瘤を認めた。腹部単純CTでは胃角後壁側に壁外に発育する35mm大のlow densityの腫瘤を認めた。また、上部消化管内視鏡にて胃体下部から前庭部にかけての小弯側に、頂部に陥凹を伴った立ち上がりのなだらかな40mm大の隆起性病変認めた。病変の粘膜面は浮腫様で一部発赤調であった。腹部症状強く、炎症反応も高値であったため、入院での抗生剤治療を開始した。第5病日には症状の改善を認めた。同日施行した腹部MRIではT1強調にて低信号を呈しており、T2強調にて一部高信号を伴った充実性の腫瘤を認め、30mm大とやや縮小傾向を認めた。その後第9病日に行ったEUSにて第4層から発育した22mm大の低エコー腫瘤を認め、内部には一部嚢胞成分を伴っていた。EUS-FNAを施行したところ膵の腺房細胞が採取され、迷入膵として矛盾しない所見であった。症状の再燃もなく、第14病日に退院となった。【まとめ】胃粘膜下腫瘍に関して迷入膵が鑑別の1つとして挙げられる。無症状の場合は特に治療介入の必要はないが、出血、癌化、急性膵炎、穿孔性腹膜炎などの症状を呈する場合は外科的治療による摘出を検討しなければならない。今回、我々は急性膵炎を起こした胃迷入膵が保存的治療にて治癒した貴重な症例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 迷入膵, 膵炎 |