セッション情報 一般演題

タイトル 018:

岐阜赤十字病院のヘリコバクター専門外来の報告  -保険適応拡大前の状況-

演者 高橋  裕司(岐阜赤十字病院 内視鏡科)
共同演者 杉江 岳彦(岐阜赤十字病院 消化器内科), 松下 知路(岐阜赤十字病院 消化器内科), 伊藤 陽一郎(岐阜赤十字病院 消化器内科), 名倉 一夫(岐阜赤十字病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】2009年日本ヘリコバクター学会による「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン改訂版」にて広く、H.pylori感染症が除菌推奨された。また最近では胃癌検診でABC検診が普及しつつあり、ピロリ感染者に対しては保険適適応外でも対応に迫られる場面が増加してきた。当院でも2010年6月より保険適応外の除菌希望者に対しヘリコバクター専門外来を開設した。今回は2013年2月に除菌保険適応が「ヘリコバクター感染胃炎」に拡大されるまでのHP専門外来の成績を報告する。専門外来は週1日の開設でヘリコバクター学会のピロリ菌感染症認定医が対応した。【対象】2010年6月よリ2013年2月末までに専門外来を受診した120例(男性52例、女性68例:平均年齢55.2歳)である。【受診理由】ABC検診受診後の除菌希望96例(80.0%),HP感染診断希望16例(13.3%),1次/2次除菌失敗例で再除菌希望8例(6.7%)であった。【感染診断方法】血中HP抗体(栄研Eプレート,cut-off 10U/ml)もしくは尿素呼気試験(<2.5‰)で行った。【除菌判定】除菌終了後8週以降に尿素呼気試験を実施した。【除菌レジメン】1次除菌 LPZ60mg+AMPC1500mg+CAM400mg7日間,2次除菌LPZ60mg+AMPC1500mg+MNZ500mg7日間,3次除菌RPZ20mg+AMPC1500mg+STFX200mg 7日間を基本とした。【除菌成績】1次除菌成功73.7%(73/99),2次除菌成功80.8%(21/26),3次除菌成功60.0%(3/5)であった。3次除菌失敗例の2例はその後6次除菌まで行うも除菌不成功であった。【副作用】発疹5例(5.1%)で2例は皮膚科での加療を要する重症例であった。その他は便通異常3例(3%),胸やけ2例(2%)であった。【結論】2013年2月に除菌の適応が拡大され、今後ヘリコバクター専門外来もリニューアルが必要となってきている。実質2次除菌までは保険でカバーされる事より、今後は3次除菌への対応が専門外来に求められると思われた。
索引用語 ヘリコバクターピロリ, 除菌