セッション情報 | シンポジウム「炎症性腸疾患の診断と治療 up-to-date」 |
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タイトル | S-03:当院における難治性潰瘍性大腸炎に対する抗TNFα抗体療法の治療成績 |
演者 | 塚本 宏延(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学) |
共同演者 | 尾関 啓司(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 谷田 諭史(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 田中 守(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 西脇 祐高(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 海老 正秀(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 森 義徳(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 久保田 英嗣(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 片岡 洋望(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大学 医学部 消化器・代謝内科学) |
抄録 | 【背景】近年、ステロイド抵抗・依存性活動性潰瘍性大腸炎に対してインフリキシマブ(IFX)、アダリムマブ(ADA)の有効性が示され、2010年にIFX、2013年にADAが保険適応となった。今回われわれは、当院における抗TNFα抗体療法の成績および安全性について検討した。【方法】名古屋市立大学病院で、2010年4月から2013年9月までにステロイド抵抗性および依存性活動性潰瘍性大腸炎に対してIFXを投与した23例とADAを投与した8例(1例重複)を奏効率、寛解率、ステロイド離脱率および副作用などについてretrospectiveに検討した。【結果】IFX投与14、30、54週間後の奏効率は、69.6、50.0、72.2%で、臨床的寛解率は、52.2、45.5、45.5%であり、ステロイドフリー寛解率は、26.1、36.4、36.4%であった。54週後における手術回避率は、87.0%であった。平均partial Mayoスコアは0、14、30、54週時で6.0、2.1、2.2、1.4であった。一方、ADA投与8、32、52週後の奏効率は、33.3、66.7、83.3%、臨床的寛解率は、16.7、33.3、50.0%、ステロイドフリー寛解率は、0.0、33.3、33.3%であった。手術回避率は、100.0%であった。平均partial Mayoスコアは0、8、32、52週で、5.5、3.8、2.3、2.7であった。観察期間内の有害事象に関しては、IFX投与例において、インフュージョンリアクション1例、関節痛1例、ADA投与例において、皮疹1例、肺炎1例であった。【結語】難治性潰瘍性大腸炎に対するIFX、ADAの投与はともに寛解導入、寛解維持に有効であり、ステロイド離脱にも有用であることが示された。 |
索引用語 | インフリキシマブ, アダリムマブ |