セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 027:

胸膜中皮腫の胆嚢浸潤の1例

演者 竹下 晴菜(小牧市民病院 消化器科)
共同演者 舘 佳彦(小牧市民病院 消化器科), 平井 孝典(小牧市民病院 消化器科), 濱崎 元伸(小牧市民病院 消化器科), 永井 真太郎(小牧市民病院 消化器科), 和田 啓孝(小牧市民病院 消化器科), 飯田 忠(小牧市民病院 消化器科), 佐藤 亜矢子(小牧市民病院 消化器科), 灰本 耕基(小牧市民病院 消化器科), 小島 優子(小牧市民病院 消化器科), 小原 圭(小牧市民病院 消化器科), 宮田 章弘(小牧市民病院 消化器科)
抄録 【症例】77歳、男性。【既往歴】膀胱癌にてTUR-BT、COPD。【現病歴】2012年10月健診Xp異常にて当院一般内科受診。右胸水貯留を認め、セルブロックより腫瘍細胞を検出した。同年11月局所麻酔下胸腔鏡生検施行し、胸膜中皮腫(上皮型)の診断となった。その後、カルボプラチンとペメトレキセドによる化学療法を施行するもPDであり中止となった。2013年3月21日心窩部痛を主訴に消化器内科受診し、急性胆嚢炎にて入院となる。3月22日PTCCD施行し、腹痛は軽快。4月3日PTCCDチューブ抜去し、4月5日退院となる。4月18日再び腹痛あり消化器内科再受診、胆嚢炎の再発にて入院となる。【現症】JCS0、BT37.1℃、BP155/86 、HR 86、腹部:軟、右季肋部に著明な圧痛あり、反跳痛なし。【血液検査】 CRP 10.7 mg/dl、 Hb 9.9 g/dlと炎症反応の上昇と貧血を認めた。【画像所見】エコーでは、胆嚢底部の壁肥厚、胆石、胆泥を認め、同部位に圧痛の訴えあり、CTでもエコーと同様の所見で周囲脂肪識混濁が著明であったが、retrospectiveに検討すると、胸膜肥厚部との境界は不明瞭であった。腹部に病的リンパ節腫大や腹水を認めなかった。【臨床経過】4月19日PTCCD施行したが、腹痛、CRP高値改善せず、外科に胆摘を依頼、6月7日開腹胆嚢摘出術施行した。なお、PTCCD後に提出した2回の胆汁細胞診はいずれもclass IIIaで悪性所見を認めなかった。手術標本では、粘膜面には腫瘍性病変を認めず、肉眼的には慢性胆嚢炎の所見であった。手術標本の病理学的検討では、粘膜面には腫瘍細胞を認めなかったが、漿膜面に腫瘍細胞を認め、免疫染色にてMNF116陽性、CK7陽性、CK20陰性、TTF-1陰性、PSA陰性、p53陽性、D2-40陽性、calretinin陽性、WT1陽性、CEA陰性のphenotypeを示し中皮腫のマーカーが陽性であり、以前施行した胸膜生検の病理像に一致、胸膜中皮腫の浸潤と診断した。【結語】胸膜中皮腫の胆嚢浸潤の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えここに報告する。
索引用語 胸膜中皮腫, 胆嚢浸潤