セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 053:S状結腸癌の腹壁穿通により壊疽性筋膜炎を発症した1例 |
演者 | 大見 関(名古屋市立東部医療センター 外科) |
共同演者 | 齊藤 健太(名古屋市立東部医療センター 外科), 服部 かをり(名古屋市立東部医療センター 外科), 遠藤 克彦(名古屋市立東部医療センター 外科), 友田 佳介(名古屋市立東部医療センター 外科), 越智 靖夫(名古屋市立東部医療センター 外科), 森 洋一郎(名古屋市立東部医療センター 外科), 柴田 康行(名古屋市立東部医療センター 外科), 谷脇 聡(名古屋市立東部医療センター 外科), 羽藤 誠記(名古屋市立東部医療センター 外科) |
抄録 | 今回我々は、S状結腸癌腹壁穿通により壊死性筋膜炎を発症した1例を経験したので報告する。【症例】64歳女性【主訴】腹痛【既往歴】帝王切開術後【現病歴】2か月前から腹痛があり、ときどき血便が出ていた。症状が増悪し、動けなくなり救急来院した。【経過】来院時バイタルは血圧:71/54mmHg、体温:37.4℃、心拍:114回/分、SpO2:97%(room air)でありショックバイタルであった。左下腹部を中心に皮膚は暗赤色に変色し膨隆、圧痛を認めた。血液生化学検査ではHb:11.2g/dl、WBC:26060/μl、CRP:38.0mg/dlであり軽度貧血と著名な炎症反応上昇を認め、エンドトキシン陽性であった。腹部CT検査ではS状結腸の壁肥厚と周囲に腸管外の便塊状構造、腹壁に連続する膿瘍やガスを認め、S状結腸の腫瘍や憩室炎の穿孔による腹壁皮下に拡がる壊死性筋膜炎が疑われる所見を得た。下部消化管穿通に併発する壊死性筋膜炎と診断し、同日緊急手術を行った。筋膜上での皮下組織の広範な開放とデブリードメントを行い、S状結腸切除および横行結腸での2孔性人工肛門造設術を施行した。術中から循環動態が安定せず未抜管状態で帰室し、集中治療を必要とした。同時に、大量の生食を用いて洗浄をして創部感染の管理をした。徐々に状態は改善し、7PODには抜管した。肺炎、MRSA創部感染なども併発したが、抗菌薬投与等で対応しながら全身状態の改善をはかりつつ、創部の縫合閉鎖を徐々に進めていった。全身状態改善し、人工肛門の操作を覚えたため、58PODに退院となった。現在はS状結腸癌に対する化学療法を外来で施行中である。【まとめ】壊死性筋膜炎は浅層筋膜を細菌感染の主座として急速に壊死が拡大する軟部組織感染症であり、進行するとDICや敗血症を生じて予後不良な疾患である。S状結腸癌を原因とする壊死性筋膜炎は比較的稀であり、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 壊死性筋膜炎, S状結腸癌 |