セッション情報 一般演題

タイトル 056:

ダブルバルーン小腸内視鏡が術前診断に有用であったMeckel憩室の1例

演者 安藤 拓也(中野胃腸病院)
共同演者 深尾 俊一(中野胃腸病院), 奥嶋 一武(中野胃腸病院), 榊原 一貴(中野胃腸病院), 前田 頼佑(中野胃腸病院), 林 久乃(中野胃腸病院), 神谷 賢吾(中野胃腸病院), 舟曳 純仁(中野胃腸病院), 横田 広子(中野胃腸病院), 伊藤 寛(中野胃腸病院)
抄録 症例は60歳男性。2010年4月黒色便にて当院受診し、同日精査目的に入院となった。入院時Hb10.4g/dlの貧血を認めた。入院後に施行した上部・下部消化管内視鏡にて異常所見を認めなかった。出血源検索のために施行したカプセル内視鏡検査にて回腸に粘膜下腫瘍を疑う所見を認めた。経肛門的アプローチによるダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE)を施行したところ、回腸に憩室を認め点墨にてマーキングした。99mTcO4-シンチグラムにて異常集積を認めなかったが、Meckel憩室からの出血と診断し、手術を施行した。塵肺による呼吸機能低下であったため、脊椎麻酔にて手術を行った。右下腹部傍腹直筋切開で開腹すると、回腸末端から約70cm口側の腸間膜対側に小腸憩室を認め、小腸部分切除術を施行した。病理検査では真性憩室で胃粘膜や膵組織などの異所性組織成分は明らかではなかった。従来Meckel憩室などの小腸疾患の診断方法としては、CT、血管造影、シンチグラフィー、小腸造影などが中心であったが、診断は困難であった。しかし 近年のカプセル内視鏡や DBEの実用化により全小腸の内視鏡診断が可能になった。今後はMeckel憩室の術前診断にカプセル内視鏡やDBEなどの内視鏡検査が有用となると考えられる。
索引用語 Meckel憩室, ダブルバルーン小腸内視鏡検査