セッション情報 一般演題

タイトル 029:

胆石イレウスに対し小腸切開縫合閉鎖+胆嚢摘出術+十二指腸瘻孔閉鎖術を施行した1例

演者 服部 かをり(名古屋市立東部医療センター 外科)
共同演者 齋藤 健太(名古屋市立東部医療センター 外科), 森 洋一郎(名古屋市立東部医療センター 外科), 大見 関(名古屋市立東部医療センター 外科), 遠藤 克彦(名古屋市立東部医療センター 外科), 越智 靖夫(名古屋市立東部医療センター 外科), 友田 佳介(名古屋市立東部医療センター 外科), 柴田 康行(名古屋市立東部医療センター 外科), 谷脇 聡(名古屋市立東部医療センター 外科), 羽藤 誠記(名古屋市立東部医療センター 外科)
抄録 今回我々は,典型的な胆石イレウスの1 例を経験し良好な経過をたどっているので報告する.症例は59歳男性,元々胆嚢結石症が指摘されていた.既往に特発性後腹膜線維症があり,今回嘔吐と経口摂取不良を主訴に受診し,CTにて胆石イレウス,胆嚢結石症,胆嚢十二指腸瘻と診断.同日小腸切開縫合閉鎖+胆嚢摘出術+十二指腸瘻孔閉鎖術を施行した.腹腔鏡下に小腸閉塞部を検索し,小開腹して同部の小腸を切開し約3cmの結石を除去,Albert-Lembert縫合にて閉鎖した.さらに炎症性の癒着を剥離しながら胆嚢十二指腸瘻周囲を観察,十二指腸の損傷を最小限にするために開腹に移行し,胆嚢十二指腸瘻を直視下に切離し胆嚢を摘出,その後十二指腸切開部をAlbert-Lembert縫合にて閉鎖した.ドレーンは十二指腸縫合閉鎖部と胆嚢床を経由するように肝下面に左右から2本留置し,さらに胃減圧チューブ,腸瘻も留置した.術後は炎症反応の経過,ドレーンの性状や量も問題なく,術後3日目から腸瘻からの経管栄養を開始,6日目の上部消化管造影で明らかな造影剤漏出なく経口摂取開始,12日目には点滴終了,ドレーンすべて抜去された状態となり,良好な経過をたどっている.胆石イレウスの多くは胆嚢十二指腸瘻を通過した結石が小腸に嵌頓して生じる.比較的まれな疾患であったが,近年は胆嚢結石症の増加に伴い報告例も増加している.本例では胆石イレウスに対し外科的治療を行い明らかな合併症なく経過しており,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 胆石イレウス, 胆嚢十二指腸瘻