セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
006:当院における胃癌患者へのアブラキサン使用経験
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演者 |
小出 修司(いなべ総合病院 外科) |
共同演者 |
長谷川 毅(いなべ総合病院 外科), 中村 善則(いなべ総合病院 外科), 石川 雅一(いなべ総合病院 外科), 水野 章(いなべ総合病院 外科) |
抄録 |
症例は80歳、男性。2011年11月検診胃透視にて胃大弯側の病変を指摘され、当院初診。精査の結果、胃癌を認めた。2012年1月に胃癌に対して根治目的に幽門側胃切除術を施行。病理診断ではTublar adenocarcinoma、T4N1M0でstage3Aであった。再発高リスク群に位置し、PSが良好であったため、TS-1による術後補助化学療法を1年間継続した。術後補助化学療法終了時明らかな再発・転移兆候は見られなかったが、2013年3月に強い腹痛、嘔吐にて受診。CT等により絞扼性イレウスと診断し、手術を行った。手術所見としては腸間膜と後腹膜の癒着によって形成された小孔に回腸が嵌まり込むことによって発症した内ヘルニアで、嵌頓腸管は約80cmにわたり壊死を起こしていた。腹腔内に明らかな腫瘤性病変を認めなかったが小腸を切除するとともに腹腔内に貯留した腹水を細胞診に提出。術後の病理結果にて切除腸管には腫瘍性病変を認めないものの腹水中に胃癌細胞を認めた。術後に中心静脈リザーバを留置したうえでアブラキサンの投与を開始、2クール目より外来化学療法に移行、現在、ADLの低下をほとんど伴うことなく継続できている。アブラキサンはヒト血清アルブミンにパクリタキセルを結合させたタキサン系抗腫瘍薬で2013年3月に進行・再発胃癌に対して効能・効果追加が承認された比較的新しい薬剤であり、外来にてADLを保ちつつ継続して使用できている症例を報告する。 |
索引用語 |
化学療法, アブラキサン |