セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 016:

短期間に自然消失した胃壁内多発腫瘤の1例

演者 杉浦 潤(国家公務員共済組合連合会 名城病院 消化器内科)
共同演者 水谷 太郎(国家公務員共済組合連合会 名城病院 消化器内科), 大竹 麻由美(国家公務員共済組合連合会 名城病院 消化器内科), 青木 孝太(国家公務員共済組合連合会 名城病院 消化器内科), 長野 健一(国家公務員共済組合連合会 名城病院 消化器内科), 大岩 哲哉(国家公務員共済組合連合会 名城病院 消化器内科), 木本 英三(国家公務員共済組合連合会 名城病院 消化器内科)
抄録 【症例】70歳代男性。2013年4月26日、腹痛を主訴に近医を受診。血液検査にて白血球の上昇と腹部超音波検査にて肝左葉に突出する様な低エコー腫瘤を認め、2013年5月7日当科紹介となり、同日精査加療目的に入院となる。現症:入院時体温37.0℃、上腹部に軽度の圧痛を認めた。血液生化学検査所見:WBC6900/μl、RBC437万/μl、Hb13.4g/dl、Plt43.0万/μl、AST21IU/l、ALT20 IU/l、LDH199 IU/l、γ-GTP118 IU/l、CRP1.53mg/dl、CEA、CA19-9、AFP、IL2R等の腫瘍マーカーは正常値であった。腹部造影CT:胃体部から前庭部に壁肥厚と壁内に多発する約4から9cmの造影効果に乏しい腫瘤様所見を認めた。腹部MRI:腫瘤はT2強調画像で高信号を呈した。上部消化管内視鏡検査:胃体部~前庭部前壁に3cm大の粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた。表面は粘膜面に不整像は認めず、またびらんや潰瘍も認めなかった。超音波内視鏡検査:第4層を主座として胃壁外へと進展する低エコーから一部無エコー像として描出され、第3層の軽度肥厚も認めた。【経過】画像所見から胃蜂窩織炎やリンパ管腫等が疑われたが確定が得られず、超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診を検討したが、腹痛、発熱が自然消失したため、経過観察目的で2013年5月14日腹部造影CT検査を施行したところ、腫瘤の著明な縮小を認めた。そのため経過観察としたが現在腫瘤は画像検査上消失し、症状も無く引き続き経過観察中である。今回、診断に難渋し、短期間に自然消失した胃壁内腫瘤につき若干の文献的考察をふまえて報告する。
索引用語 胃, 壁内腫瘤