セッション情報 ワークショップ14(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

患者にやさしい上部消化管内視鏡検査の工夫

タイトル 内W14-13:

当院での患者さんにやさしい胃内視鏡検査

演者 島田 守(守口敬任会病院・外科)
共同演者 高尾 美幸(守口敬任会病院・消化器内科), 阪口 正博(守口敬任会病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院でのミダゾラム使用による胃内視鏡検査(GS)について呼吸・循環動態の安全性、BISモニターによる鎮静の程度、及び患者サイドからみた当院のGSをアンケート調査にて評価した。【対象及び方法】対象は、平成23年3月15日より4月15日及び平成24年3月3日から3月17日にまでの47日間に当院にてGSを行った外来患者257名。内視鏡はGIF type H260(Olympus)を使用。ミダゾラムの基本静注量は、体重50kg以上は4mg、50kg未満は3mg。大腸内視鏡検査を続けて行う症例のみCO2送気を使用。職員には接遇やクレーム対応の勉強会を行っている。インフォームド・コンセントの得られた32名に対してBISモニター、パルスオキシメーター及び自動血圧計を装着。鎮静剤投与前、鎮静剤投与時から検査終了までの30秒毎にBIS値、SpO2および脈拍を測定。血圧は、鎮静剤投与前、鎮静剤投与後3分5分検査終了時に測定。検査終了後被験者が自力で起きあがり、直線歩行が可能なまでの時間をフルマゼニル投与と非投与で測定。咽頭反射の有無、鎮静の深さ及びアンケート調査を行った。【結果】BIS値が3分以内に内視鏡検査で有効であるとされる60-70台に低下した症例は、75%(24/32)。SpO2が80代を呈する症例を15.6%(5/32)、に認め、酸素投与を行った。血圧、脈拍は、20%以上変動する症例を認めたが、処置は必要なかった。検査後自力で起きあがり、直線歩行が可能なまでの時間は、フルマゼニル使用23例で平均4.5分、フルマゼニル非使用9例で平均56分。検査中に咽頭反射がなかった45.9%。鎮静の深さは、呼びかけに対して無反応28.4%。検査がとても楽33.1%、楽35.0%。検査中のことを覚えていない60.9%。再検査を受けたくない4.7%。受付及び看護師の対応はとても良い54%、良い40%。検査後の説明はとてもよく理解できた60.2%、理解できた34.6%。【結論】ミダゾラムを使用したGSは、患者さんの苦痛を軽減し、満足度が高く、再検査の拒否を示す症例は少なく、アンケート結果からはある程度患者さんにやさしいGSができていると判断した。
索引用語 胃内視鏡, 鎮静