セッション情報 一般演題

タイトル 015:

転移性胃腫瘍の2例

演者 三ツ田 翔平(岐阜大学大学院腫瘍外科学)
共同演者
抄録 【緒言】転移性胃腫瘍は非常にまれであり、その多くは剖検例での報告であり、臨床的に診断されることは少ない。今回、われわれは胃癌の診断のもと手術を行ったが、癌の胃転移であった2例を経験したので報告する。【症例】1.患者は52歳、女性。当院婦人科にて2005年3月に卵巣癌(T3,N0,M0)にて準広汎術子宮全摘術、両側付属器切除、リンパ節郭清術、大網切除術がおこなわれた。術後4年間化学療法を行われてきたが、2009年4月のCTにて胃周囲ならびに大動脈周囲リンパ節に腫大を認め、GIFにてECJ直下に2型腫瘍(tub2~por)を認め、当科紹介となった。EUS-FNAにて大動脈周囲リンパ節は卵巣癌の転移の診断となり、6月開腹術を行った。胃全摘術(D2郭清)、大動脈周囲リンパ節郭清を施行した。胃の腫瘍、大動脈周囲リンパ節ともに卵巣癌の組織像と類似しており、卵巣癌の胃転移の診断となった。2.患者は58歳、女性。2011年夏頃より悪心、嘔吐、食欲不振があり、2012年後半からは体重も半年で6kg減少した。2013年4月にGIFを施行し胃角小弯に潰瘍性病変を指摘され胃癌(por)と診断され当科紹介となった。当院でのGIFでは噴門部より胃全体に4型進行胃癌を疑う所見があり、幽門輪は変形が著明で通過障害を認めた。また、骨シンチにてL5に骨破壊像を認め生検を行った。左乳房にも腫瘤を認めたが、予後を決めるのは胃癌と判断し、また経口摂取不良であることもあり、5月に開腹術を行った。腹腔内には多数の腹膜播種結節を認め、洗浄細胞診も陽性であり、胃全摘術(D1郭清)を施行した。左乳房腫瘤の生検結果は免疫染色でER(+)、PgR(+)、HER2(-)、Ki67 8%のluminal A typeで、Mammaglobin(+)、GCDFP(-)、CK7(+)、CK20(-)であり、原発性の乳癌(invasive ductal carcinoma)の診断であった。さらに、胃、腹膜、骨の病変も同様の免疫染色の結果を示し、乳癌の胃転移、腹膜播種、骨転移の診断となった。
索引用語 あああ, あああ