抄録 |
【緒言】WHO分類改訂により膵神経内分泌腫瘍(pNET)への注目が高まっている。当院で経験したpNETについて報告する【症例提示】83歳女性。既往症として子宮筋腫。来院前日より激しい心窩部痛を主訴に当院を受診。CTにて膵炎および膵頭部に32×26mm大の腫瘤と主膵管の拡張を認めた。膵炎を保存的に加療後、膵頭部腫瘤に対して精査を行った。MRI T1強調画像で低信号、拡散強調画像・T2強調画像で高信号の類円形腫瘤を認めた。FDG-PETでは膵頭部にSUV max6.2の集積を認めた。EUSでは膵頭部に境界明瞭、整、側方陰影を伴う39×23mm大の内部やや不均一な等エコー腫瘤を認め、Sonazoid造影で早期より造影効果を認めた。内分泌精査で異常所見は認めなかった。以上より非機能性pNETと診断した。膵頭十二指腸切除術、リンパ節郭清施行。Chromogranin, Synaptophysin, CD56が陽性、Mib-1 index(Ki67)は3%であることから膵神経内分泌腫瘍G2と診断した。リンパ節転移は認めなかった。【考察】腫瘍径・FDG-PETで集積が認められたことから悪性度が高い可能性があり膵頭十二指腸切除術、D2リンパ節郭清を施行した。pNETの外科治療に関して文献的考察を交え報告する。 |