セッション情報 ワークショップ2「食道癌の集約的治療の新たな展開」

タイトル W2-5:

当院における遠隔転移を伴う食道癌に対するTXT+CDDP+5-FU併用療法

演者 紀 貴之(大阪医科大学 化学療法センター)
共同演者 後藤 昌弘(大阪医科大学 化学療法センター), 吉田 元樹(大阪医科大学 化学療法センター), 西谷 仁(大阪医科大学 化学療法センター), 桑門 心(大阪医科大学 化学療法センター), 樋口 和秀(大阪医科大学 第2内科)
抄録 背景:高度進行食道癌に対する治療法としては化学放射線療法が選択されることが一般的であるが,遠隔転移を伴う食道癌や再発食道癌では化学療法が選択される。多剤併用化学療法では5-FUとCDDPをkey drugとした併用療法(FP療法)が一般的となっており、30-40%の奏功率が報告されているが十分とは言い難い。食道癌治療においてもタキサン系抗癌剤が導入されたことより、5-FU+CDDP併用療法と新規抗癌剤のTXTを併用した治療が可能となった.今回,遠隔転移を伴う食道癌に対し、TXT、CDDP及び5-FU併用療法の有効性・安全性等を評価した。方法:遠隔転移を伴う食道癌を対象に3つの臨床試験に登録された初回治療例19例で検討した。 治療方法はTXT +CDDP +5-FU 併用療法を投与された症例、奏効率、安全性、生存期間、無増悪生存期間 を解析した。結果:19例の背景は年齢中央値60 歳、男:女=18:1例、全例扁平上皮癌であった。奏効率は57.8%、病勢制御率は89.4%であった。毒性は、Grade3以上の好中球減少47.3%、白血球減少36.8%、貧血10.5%、Grade3以上食欲不振42%、低ナトリウム血症5%、高アンモニア血症5%、悪心5%、AST上昇21%、ALT上昇5%、腎機能低下5%であった。無増悪生存期間中央値(95%信頼区間):165日、生存期間中央値(95%信頼区間):287日であった。結論:TXT +CDDP +5-FU 併用療法は遠隔転移を伴う食道癌患者に対して良好な奏功率、病勢制御率、無増悪生存期間、生存期間を示した。今後、臨床試験結果が待たれる。
索引用語 食道癌, 化学療法