セッション情報 |
Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)
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タイトル |
Y1-1:胃前庭部と十二指腸球部が嵌頓し通過障害をきたした食道裂孔ヘルニアの一手術例
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演者 |
青木 領太(医療法人 川崎病院 消化器内科) |
共同演者 |
西田 悠(医療法人 川崎病院 消化器内科), 深水 英昭(医療法人 川崎病院 消化器内科), 竹内 庸浩(医療法人 川崎病院 消化器内科), 野村 祐介(医療法人 川崎病院 消化器内科), 多田 秀敏(医療法人 川崎病院 消化器内科), 前田 哲男(医療法人 川崎病院 消化器内科), 井上 善文(医療法人 川崎病院 外科) |
抄録 |
【症例】84歳女性。【主訴】嘔吐。【既往歴】認知症、高血圧にて内服治療中。【現病歴】2011年12月、急な嘔吐をきたし当科受診、精査加療目的にて入院となった。【入院経過】入院時、腹部X線にて著明な胃内ガスと胃拡張を認めた。腹部CTでは胃幽門輪から十二指腸球部が縦隔内に脱出しており食道裂孔ヘルニアに嵌頓しているものと考えられた。第2病日、透視下に上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃内容物が大量に貯留し、また強い胃の変形をきたしていた。十二指腸への挿入は可能であったが、十二指腸球部から下行脚の狭窄を認めた。内視鏡下造影にて幽門部から十二指腸球部がヘルニア内に脱出していることを確認した。内視鏡下に整復できたが再度脱出をきたし、手術適応と考えられた。第11病日、開腹下に食道裂孔閉鎖術(Hill法)を施行した。手術所見では、胃前庭部および十二指腸球部が脱出しており、腹腔内に還納し食道裂孔ヘルニアを閉鎖した。術後は嘔吐することなく経過した。後日の胃透視にて胃拡張の消失、胃蠕動の改善を確認した。その後、食事摂取できるようになり退院となった。【考察】今回我々は、傍食道型の食道裂孔ヘルニアに胃前庭部と十二指腸球部が嵌頓し通過障害をきたした一例を経験した。内視鏡的整復ではすぐに再発を来してしまったため、手術治療を行って良好に回復しえた。食道裂孔ヘルニアに消化管が嵌頓して通過障害をきたすことは稀であり、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
食道裂孔ヘルニア, 嵌頓 |