セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y2-1:

腸閉塞を機に診断された真性腸石を伴ったメッケル憩室の1例

演者 小川 智広(兵庫医科大学病院)
共同演者 河合 幹夫(兵庫医科大学病院), 飯室 正樹(兵庫医科大学病院), 佐藤 寿行(兵庫医科大学病院), 河野 友彰(兵庫医科大学病院), 上小鶴 孝二(兵庫医科大学病院), 横山 陽子(兵庫医科大学病院), 戸澤 勝之(兵庫医科大学病院), 應田 義雄(兵庫医科大学病院), 福永 健(兵庫医科大学病院), 樋田 信幸(兵庫医科大学病院), 堀 和敏(兵庫医科大学病院), 中村 志郎(兵庫医科大学病院), 三輪 洋人(兵庫医科大学病院 内科学 上部消化管科), 松本 誉之(兵庫医科大学病院)
抄録 【症例】40歳代、男性【現病歴】2011年5月2日に腹痛と嘔吐を認め、自宅で経過観察するも5月5日に腹痛が増強し、近医を受診した。精査で腸閉塞と診断するも回腸に結石を認め、これが原因と考えられ当院に5月6日転院となった。【入院後経過】腹部骨盤CT検査で回腸下部に連続する管腔構造と、その内部に直径20mm大の石灰化した円盤様物を認めた。腸閉塞症状が軽快したのち、ダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行、回腸下部に内腔の狭窄を伴った憩室を認め、その狭窄の深部に円盤様の結石が造影された。99mTcシンチグラフィー検査では、集積を認めなかった。99mTcの集積は認めなかったが、腸石を伴ったメッケル憩室と診断し、6月1日回腸憩室切離術を実施した。憩室は回腸末端から70cm口側にあり、長さは5cm、内径は1.5cmであった。内腔に2カ所の狭窄があり、その狭窄間に20x10x5mm大の円盤状結石を認めた。結石分析で蓚酸カルシウム結石と同定された。術後順調に経過し、6月8日退院となった。【考察】真性腸石を伴ったメッケル憩室は、きわめて稀な疾患である。結石をともなったメッケル憩室は、憩室炎や穿孔など急性腹症として開腹され、手術時に診断されることが多い。今回、我々は術前診断可能であった腸石を伴ったメッケル憩室症例を経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 メッケル憩室, 真性腸石