セッション情報 一般演題

タイトル 37:

小腸病変を認めた病原性大腸菌O125感染症の1例

演者 中路 幸之助(愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
共同演者 中江 遵義(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 熊本 光孝(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 藤田 篤代(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 本多 俊裕(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 加藤 寛正(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 神津 知永(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 松山 健次(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 淀澤 美樹子(愛晋会中江病院内視鏡治療センター), 清水 達也(愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
抄録 症例は33歳、男性。主訴は下血。既往歴に逆流性食道炎がある。現病歴は2012年7月に2日前よりつづく下血を主訴の来院。便の性状は一週間前より下痢であった。現症で臍周囲の圧痛を認めた。若年でIBDの小腸病変の増悪の可能性もあり、腹部CTで明らかな腸管の狭窄、貧血の著明な進行はなく全身状態は良好であることから、説明・同意のうえ他の検査に先立ち直にPillCamSB2plusを用いてカプセル内視鏡(CE)を施行した。カプセル内視鏡は検査時間内に5時間24分で全消化管を通過して排泄され便器の画像が確認された。RTV・検査直後のRapid Reder6.5の解析で口腔・食道・胃・十二指腸には活動性出血の所見はなく、緊急内視鏡処置の必要性は低いと判断した。回腸末端および左側結腸・直腸にびらん・潰瘍の所見が認められた。そのため待機的に大腸内視鏡検査施行した。するとCEの所見に一致して同様の所見を認めた。回腸末端のびらん・潰瘍性病変よりの生検組織では悪性所見、肉芽腫の所見は認められなかった。内視鏡時に採取した便汁よりの培養検査で病原性大腸菌O125が検出されたため感染性腸炎を考え抗菌剤・整腸剤を投与して経過観察した。その後再度の大腸内視鏡検査で回腸末端および大腸病変の改善が確認された。今回小腸病変を伴う病原性大腸菌O125感染症を認めたので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 小腸病変, 病原性大腸菌