セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
31:Capecitabine + Oxaliplatin療法が奏功した原発性十二指腸癌の一例
|
演者 |
渡辺 昌樹(公益財団法人 田附光風会 北野病院) |
共同演者 |
渡邉 幸太郎(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 橋本 佳愛子(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 西村 聡(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 木村 典世(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 牟田 優(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 廣橋 研志郎(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 西川 義浩(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 工藤 寧(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 加藤 洋子(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 山内 淳嗣(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 河野 孝一朗(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 高 忠之(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 浅田 全範(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 福永 豊和(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 川口 清隆(公益財団法人 田附光風会 北野病院), 八隅 秀二郎(公益財団法人 田附光風会 北野病院) |
抄録 |
【症例】69歳女性【主訴】上腹部痛【既往歴】両側白内障手術【現病歴】便秘症であったが、2010年4月頃より症状増悪。同年4月に当科外来を受診し、腹部CTにおいて十二指腸に内腔に突出する5cm大の腫瘤および周囲のリンパ節腫大を認めた。上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部から下行脚にかけて白苔に覆われた巨大な腫瘤性病変を認め、生検にて十二指腸癌と診断。精査加療目的にて同年6月に当科入院。【現症】体温36.1℃、血圧107/58mmHg、脈拍65/min、腹部は平坦、軟、圧痛なし、蠕動音やや亢進、臍上部に小児頭大の硬い腫瘤を触知。【検査結果】WBC 5200/μl,Hb 12.5g/dl,Plt 28.2万/μl,AST 20 U/l,ALT 16 U/l,LDH 309 IU/l,ALP 192IU/l,γ-GTP 13 U/l,T-bil 0.4mg/dl,TP 5.5g/dl,Alb 3.3g/dl,Amy 136U/l,CRP 2.61mg/dl,CEA 3.8ng/ml,CA19-9 2.8U/ml【入院後経過】十分なインフォームドコンセントの元、6月25日よりCapecitabine + Oxaliplatin療法を開始するも、十二指腸狭窄による嘔吐が強くCapecitabineの内服は困難であった。この為、内視鏡下に十二指腸ステントを留置した所、一旦嘔気は改善しCapecitabineの内服も可能となったが、腫瘍のingrowthにより再び内服不可能となった。Capecitabine + Oxaliplatin療法の継続は困難と判断し、7月28日より一旦mFOLFOX6療法へ変更。3コース後のCTでは原発巣およびリンパ節転移は縮小傾向であった。その後カテーテル感染および上大静脈血栓症によりmFOLFOX6療法の継続は断念したが、Capecitabineの内服は可能となり11月11日から再びCapecitabine + Oxaliplatin療法へ変更。2コース終了後のCTでは原発巣およびリンパ節転移の縮小を認めた。しかし4コース終了後のCTでPDとなり、消化管の通過障害による嘔吐も再び出現。緩和ケアの方針となり初回治療より7ヶ月後の2011年1月26日に永眠された。【結語】原発性十二指腸癌は非常に稀な癌種であり標準的な化学療法も確立されていない。Capecitabine + Oxaliplatin療法が奏功したと考えられた原発性十二指腸癌の一例を経験したので若干の文献的な考察も加えて報告する。 |
索引用語 |
十二指腸癌, 抗癌剤 |