セッション情報 一般演題

タイトル 62:

12年間HBキャリア-で肝酵素正常肝硬変症の1例

演者 西内 明子(笹生病院内科)
共同演者 安東 まや(笹生病院内科), 笹生 幹夫(笹生病院内科)
抄録 症例は40歳代男性。家族歴:父親若い時HBs抗原陽性、弟HBキャリア-。既往歴:30歳にHBキャリア-判明。2005年2回、2006年2回当院に受診。2011/1/4に健診にて胃精査希望来院、胃潰瘍瘢痕のみ。8/7に発熱と腹痛あり、腸炎に入院し、治癒。現病歴:会社の定期健診は1年毎に受けていた。2012/5/15の健診で肝機能値は正常だが、HBs抗原陽性以外にAFP15.7と上昇のために、精査目的当院へ6/21に受診した。各種画像検査の腹部CTでは肝内腫瘤はなく、胆石症。腹部超音波検査では肝内肝静脈の狭小化があり、肝硬変症の疑いと診断され、確定診断のために、腹腔鏡肝生検目的にて7/31に入院。入院時検査成績はT.Bil1.2mg/dl、AST25IU/l、ALT28IU/l、ALP245IU/l、LAP60IU/l、γGTP37IU/l、Ch-E189 IU/l、T.P7.1g/dl, T.chol197mg/dl,HBs抗原(+)250IU/ml以上,HBe抗原(-)0.7、HBe抗体(+)79.0、HBc抗体(+)14.0、HBVDNA4.2LogIU/ml、HCV抗体(-)、AFP8.9ng/ml、pivka2 22MAU/ml、 ICG15分14%。8/2に腹腔鏡肝生検施行した。腹腔鏡所見では肝表面は凹凸性変化を来たし、径10mm大の完成されたHBに特徴的な暗赤褐色の完成された結節形成とびまん性赤色紋理を認めて、活動性肝硬変症である。組織像でも完成された肝硬変症。組織内のオルセイン染色は陰性であった。【結語】HBキャリア-の患者は外来での経過観察を行っているが、定期的な採血だけでなく、同時に画像検査も行っていく必要がある。本症例のように肝酵素の上昇もなく、肝硬変症への進展していく症例があり、詳細な画像検査を含む経過観察が必要と考え、報告した。
索引用語 B型肝硬変症, 腹腔鏡検査