セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y3-7:

連日血球成分除去療法を行った初発全大腸炎型潰瘍性大腸炎の一例

演者 岩谷 修子(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科)
共同演者 澁川 成弘(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 阿部 友太朗(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 田畑 優貴(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 野崎 泰俊(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 西山 範(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 葛下 典由(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科), 井上 敦雄(大阪府立急性期総合医療センター 消化器内科)
抄録 症例は20歳代女性。主訴は腹痛と下痢。既往歴に特記事項なし。2012年5月より腹痛と下痢がみられ、細菌性腸炎を疑われ抗生剤を処方された。翌日より鮮血便が出現し、症状の改善なく原因精査目的で入院となった。第3病日に下部消化管内視鏡検査(CS)を行い、全大腸にわたり粗造な粘膜と多発性のびらんを認め、全大腸炎型 潰瘍性大腸炎と診断した。重症度は中等症であり、Clinical Activity Index(CAI)は13 であった。同日より5-ASA製剤4g/日内服を開始するとともに、第4病日より血球成分除去療法(GMA)を行った。副作用は認めず、第5病日より便回数、血便とも著明に改善がみられたため、連日(5日間)行った。第11病日に再度CSを行ったところ、びらんは残存していたが血管透見は回復傾向にあり、明らかな改善を認めた。CAIは0まで改善し、第13病日退院とし、以後は外来にて5-ASA内服と週に一度のGMAを5回行った。膵酵素上昇のため5-ASAを3g/日に減量したが、減量後も再燃はなく、膵酵素は基準値内まで改善した。GMA終了後にCSを行ったところ、下部直腸に血管透見消失が残存するのみであった。その後は5-ASA 3g/日の内服のみで加療し、退院後より4ヶ月経過した現在も寛解状態を維持している。今回我々は、初発の全大腸炎型 潰瘍性大腸炎に対して5-ASA製剤と連日GMAを行い、寛解導入できた一例を経験した。連日GMAの報告はまだ少なく、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 血球成分除去療法