セッション情報 | シンポジウム1「消化器診療におけるイノベーション」 |
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タイトル | S1-4:定圧自動送気内視鏡(SPACE)を用いた新しい経皮的胃瘻造設術の試み |
演者 | 中原 征則(市立池田病院 消化器内科DELIMITERJapan SPACE Study Group) |
共同演者 | 加藤 元彦(大阪大学 消化器内科DELIMITERJapan SPACE Study Group), 今枝 博之(埼玉医科大学 総合診療内科DELIMITERJapan SPACE Study Group), 細江 直樹(慶應義塾大 内視鏡センターDELIMITERJapan SPACE Study Group), 松本 康史(市立池田病院 消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院 消化器内科), 辻井 正彦(大阪大学 消化器内科DELIMITERJapan SPACE Study Group), 竹原 徹郎(大阪大学 消化器内科DELIMITERJapan SPACE Study Group), 厨子 慎一郎(市立池田病院 消化器内科), 中島 清一(大阪大学 次世代内視鏡治療学DELIMITERJapan SPACE Study Group) |
抄録 | 【背景・目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は、内視鏡からの送気により伸展させた胃壁を腹壁と接した状態とし、体外から腹壁を経由して胃内へ穿刺して胃瘻を造設する手技である。過小送気では他臓器誤穿刺の可能性が生じる一方、過剰送気は術中のゲップや腹腔内への空気漏出、術後の腹部膨満・腹痛等を生じ得る。大阪大学で開発した定圧自動送気内視鏡(SPACE)を用いたPEGは、炭酸ガス送気後の胃内圧が圧センサーで管理される為に過剰送気が回避されることが期待される。しかし、PEG対象患者には呼吸器疾患や意識障害の患者も多く、処置中の鎮静剤使用等を考慮すると高CO2血症に伴う重篤な偶発症をきたす可能性が危惧される。我々は倫理委員会承認下に文書での同意を頂いた2症例にSPACEを用いた新しいPEG(臨床第I相試験)を行ったので報告する。【方法】対象はパーキンソン病の進行により嚥下機能が低下した72才女性及び80才男性の2例。内視鏡鉗子孔にT字管(MD-807 オリンパス社)を装着して気腹装置(UHI-3 同社)を接続し、設定圧4-8mmHg・流量 35L/minで炭酸ガスによる定圧自動送気を行った上でPEGを行った。術前後での理学的所見・動脈ガス分析・腹部XP・腹部CT等を調べ、安全性について検討した。【成績】SPACEにより内視鏡担当医が送気ボタンを操作せずとも一定の安定した視野が確保され、2例共に理学的所見に特記すべき問題なくPEG施行可能であった。使用した炭酸ガス総量は各々1.6L、0.8Lで術中の嘔吐反射はなし。術中術後に著明な高CO2血症は認めず、また腹部XP・CTにて術後の腹腔内遊離ガス像は見られず、経過は良好であった。【結語】安全性に特記すべき問題なく、SPACEを用いたPEGは施行可能であった。SPACEはPEG施行時の視野を安定化させ、標準化に寄与する可能性がある。 |
索引用語 | 定圧自動送気内視鏡, SPACE |