セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 24:自然脱落した食道癌肉腫の一例 |
演者 | 島本 真里(京都第二赤十字病院 消化器内科) |
共同演者 | 影山 真理(京都第二赤十字病院 消化器内科), 平田 祐一(京都第二赤十字病院 消化器内科), 白川 敦史(京都第二赤十字病院 消化器内科), 岡田 雄介(京都第二赤十字病院 消化器内科), 真田 香澄(京都第二赤十字病院 消化器内科), 鈴木 安曇(京都第二赤十字病院 消化器内科), 中瀬 浩二朗(京都第二赤十字病院 消化器内科), 萬代 晃一朗(京都第二赤十字病院 消化器内科), 森川 宗一郎(京都第二赤十字病院 消化器内科), 河村 卓二(京都第二赤十字病院 消化器内科), 河端 秀明(京都第二赤十字病院 消化器内科), 宮田 正年(京都第二赤十字病院 消化器内科), 盛田 篤弘(京都第二赤十字病院 消化器内科), 田中 聖人(京都第二赤十字病院 消化器内科), 宇野 耕治(京都第二赤十字病院 消化器内科), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院 消化器内科), 中島 正継(京都第二赤十字病院 消化器内科), 桂 奏(京都第二赤十字病院 病理診断科) |
抄録 | 【症例】70歳、女性【主訴】嚥下困難【既往歴】66歳時悪性リンパ腫に対し化学療法を施行され寛解【現病歴】2011年8月前医で嚥下困難に対し施行された上部消化管内視鏡で食道に隆起性病変を認め、精査加療目的に当科へ紹介され受診した。【経過】血液検査では白血球数の著明な高値を認めたが、可溶性IL-2受容体、腫瘍マーカー(scc、CEA)は正常範囲内であった。上部消化管内視鏡で切歯より30cm付近に径3cm大の有茎性腫瘤を認めた。腫瘤の基部から肛門側にかけてほぼ全周性に粘膜の不整を認め、NBIではbrownish areaとして認識され、ルゴール散布ではpink color sign陽性であった。生検では有茎性腫瘤から肉腫、近傍の粘膜からは扁平上皮癌が検出され、食道癌肉腫が疑われた。造影CTでは明らかな壁外浸潤やリンパ節転移を示唆する所見は認めず、外科治療の方針であったが、経過中に突然嚥下困難が消失した。上部消化管内視鏡を再検したところ、有茎性腫瘤は自然消失していたが、不整粘膜は残存していた。同部からの生検で扁平上皮癌が検出されたため、後日食道亜全摘術、2領域リンパ節郭清、後縦隔胃管再建を行った。切除標本の病理組織所見は大部分が扁平上皮癌であったが、一部に肉腫成分も認め、癌肉腫と診断した。主病変の肛門側には別の粘膜内癌を認めており、多発病変と判断した。また、経過中明らかな感染徴候はなかったものの、白血球数の高値が持続し、有茎性腫瘤消失後に白血球数は正常化しており、G-CSF産生腫瘍が疑われた。【考察】食道原発癌肉腫は食道悪性腫瘍の1%未満とされる稀な疾患である。有茎性の形態をとることが多く、嚥下障害などの症状の出現が早いとされる。本例のように一部が自然脱落した食道癌肉腫症例は、検索しえた限りでは報告されておらず、極めて稀と考えられた。今回我々は一部が自然脱落した食道癌肉腫の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 食道, 腫瘍 |