セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y5-1:

C型慢性肝炎のペグインターフェロン、リバビリン治療中に急性膵炎を発症した一例

演者 旭爪 幸恵(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科)
共同演者 島 俊英(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 西脇 聖剛(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 堀元 隆二(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 大矢 寛久(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 加藤 隆介(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 天野 一郎(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 関 耕次郎(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 千藤 麗(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 天方 義郎(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 松本 淳子(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 田中 いずみ(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 澤井 直樹(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 水野 智恵美(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 水野 雅之(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科), 岡上 武(大阪府 済生会 吹田病院 消化器内科)
抄録 症例は59歳、男性。HCV1b型、高ウィルス量、Core70変異型、Core91 野生型、NS5A ISDRは変異数0、IL28-βはMajorであった。肝生検(2008年8月)はCH、F1-2/A1であった。2008年8月よりPEG-IFNα-2b 120μg、Ribavirin 800mgで治療を開始、適宜容量調節を行いながら投与を継続していたが6週目の9月に腹痛とともにアミラーゼ:1951IU/Lに増加し、急性膵炎と診断しインターフェロン(IFN)投与を中断した。7月以降の飲酒歴は無く、IgG4は低値で胆嚢内結石を認めたため、胆石性 膵炎を疑い、膵炎の加療後2009年9月に胆嚢摘出術を施行した。2010年1月9日よりPEG-IFNα-2a 180μg、Ribavirin 800mgの投与を開始したが8週目の3月8日に急性膵炎を再度発症し入院となり、IFN治療を中断した。膵炎の加療後3月24日より、次はPEG-IFNα-2a単独で投与を開始した。6月より HCV-RNAは検出されなくなった。10月よりRibavirinを追加し、以後、腹痛の出現とAMY値の変動を毎週確認しながら適宜増減・休薬しIFN治療を続けた。S6/7 に1cm大のHCCの出現を認めたため、2011年3月IFN治療を中断し、4月に肝部分切除術を施行した。術後5月よりPEG-IFNα-2a、 RibavirinによるIFN治療を再開し、7月に投与を終了した。以後HCV RNA:検出せずの状態が継続しSVRと判定された。IFNの副作用としての膵炎・膵障害は1990年代より報告があるが、われわれが検索し得た範囲で本邦での報告は数例と頻度は少ない合併症である。膵炎を繰り返しながらも、毎週の腹痛、アミラーゼ値を確認しながら投与量を調整しSVRに至った一例を経験したので報告する。
索引用語 慢性C型肝炎, 急性膵炎