セッション情報 シンポジウム2「肝細胞癌に対する治療戦略」

タイトル S2-4:

ラジオ波焼灼療法の効果判定におけるCTおよびEOB-MRI fusion imagingの有用性

演者 澤井 良之(市立池田病院 消化器内科)
共同演者 牧野 祐紀(市立池田病院 消化器内科), 井倉 技(市立池田病院 消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院 消化器内科)
抄録 【目的】ラジオ波焼灼療法(RFA)の効果判定におけるCTおよびEOB-MRI fusion画像の有用性を検証する。【方法】(検討1)2006年1月~2012年2月にRFA単独治療(TACE非併用)を施行したHCC中、CTで描出可能で遺残なしと判断し、6か月以上観察した102結節を対象とし、RFA前後のCT fusion画像上で測定したminimal margin(MM)を含めて局所再発(局再)に寄与する因子についてretrospectiveに検討した。(検討2)2011年10月~2012年8月にRFAを施行したHCC中、RFA前後にdynamic CT、EOB-MRI両者を施行した59結節を対象とし、判定結果をMR fusion画像、CT fusion画像間で比較した。いずれの検討もfusion画像はAW4 (GE Healthcare)を用いて作成し、CTではpreは腫瘍が最大に描出される相、postは門脈相を用い、MRではpreは肝細胞相、postは後期相または門脈相を用いた。MMはaxial面または可能であれば3断面上で計測した(腫瘍のはみ出しは負の値とした)。【結果】(検討1) 多変量解析ではMM<0mmのみが有意であり(HR 7.15)、MMを0mm未満、0-5mm、5mm以上の3群に分類すると、1年/2年累積局再率はそれぞれ21.3%/31.9%、5.0%/5.0%、0.0%/0.0%であった。(検討2)59結節中28結節(47.5%)がCT、MRとも判定可能、19結節(32.2%)はMRのみ、4結節(6.8%)はCTのみで判定可能、8結節(13.6%)は両者とも判定困難であった。MMを検討1の3群に分類すると、CT、MRとも判定可能であった28結節中24結節(85.7%)で両者の判定が一致し、良好な一致率を示した(κ coefficient 0.685, p<0.01)。CTで判定困難の27結節はいずれも腫瘍が描出不能~極めて不明瞭であった。MRでは全結節描出可能であったが、10結節は淡くfusion画像上では不明瞭、1結節は焼灼域が不明瞭、1結節は腫瘍と隣接血管の境界が不明瞭であり判定困難であった。【考察・結語】CT fusion画像で測定したMMにより局再率が層別化でき、治療効果判定に有用であった。またMR fusion画像は分解能の面で課題は残るが、CT fusion画像と同等の判定が可能であり、CTで描出不能の病変にも応用可能であった。
索引用語 RFA, fusion画像