セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F3-6:

孤立性上腸間膜動脈解離の2例

演者 井関 隼也(関西電力病院 消化器内科)
共同演者 藤原 幹夫(関西電力病院 消化器内科), 横田 有沙(関西電力病院 消化器内科), 北村 陽介(関西電力病院 消化器内科), 野口 麻希子(関西電力病院 消化器内科), 東 恵史朗(関西電力病院 消化器内科), 井上 夏子(関西電力病院 消化器内科), 池田  一毅(関西電力病院 消化器内科), 魚瀬 優(関西電力病院 消化器内科), 染田 仁(関西電力病院 消化器内科), 中村 武史(関西電力病院 消化器内科)
抄録 孤立性上腸間膜動脈解離は比較的まれな疾患とされている。今回、我々は孤立性上腸間動脈解離を2例経験したので報告する。【症例1】60歳男性。2011年5月31日、夕食後より上腹部痛を認めたが、症状改善なく6月2日当科外来受診となる。造影CTにて上腸間膜動脈の起始部より4cmから7cmの部位にかけて血栓性閉塞した偽腔の形成による真腔の狭小化を認め、孤立性上腸間動脈解離と診断し加療目的にて入院となる。入院後、絶食・血圧コントロールを行ない症状改善、造影CTにて解離の増悪認めず、入院15日目に退院となった。【症例2】48歳男性。2012年7月14日より上腹部痛を生じ、軽快しないため7月17日外来受診、造影CTにて上腸間膜動脈解離と診断し入院となる。【症例1】と同様に、保存的加療により症状増悪なく経過し、入院17日目に退院となった。【まとめ】孤立性上腸間膜動脈解離は、腸管血流が保たれている場合には、降圧治療、抗凝固・血小板療法などによる保存的加療が可能であることが多い、予後良好な疾患である。しかし、動脈瘤の破裂や進行する腸管虚血を認める場合には緊急手術となるため、迅速かつ適切な診断・治療が必要である。今回、本症の発症に関わる背景因子や治療法のアルゴリズムについて若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 孤立性上腸間膜動脈解離, 造影CT