セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y2-3:

門脈ガス血症をともなった終末回腸虚血性腸炎の1例

演者 木下 雅登(医療法人社団 明石医療センター)
共同演者 藤本 和世(医療法人社団 明石医療センター), 佐々木 一就(医療法人社団 明石医療センター), 林 賢一(医療法人社団 明石医療センター), 花房 正雄(医療法人社団 明石医療センター), 吉田 志栄(医療法人社団 明石医療センター), 安東 直之(医療法人社団 明石医療センター), 中島 卓利(医療法人社団 明石医療センター), 澤井 繁明(医療法人社団 明石医療センター), 朝原 由美子(朝原クリニック), 朝原 正京(朝原クリニック)
抄録 症例は71歳女性、突然に下腹部を中心とした激痛を認めたため近医を緊急受診した。炎症反応の上昇は認めなかったが、腹部CTを施行したところ門脈ガス血症を認めたため当院へ救急搬送された。造影CTを施行にて門脈内ガスは減少傾向であり、腸間膜動脈領域の腸管に造影不良はなく、急性動脈閉塞や腸管壊死を疑う所見は認めなかったので絶食補液による経過観察となった。第2病日に血便を認めたが、腹痛は徐々に改善した。第4病日に再検した腹部CTでは門脈内のガスは消失していたが、終末回腸に浮腫状の変化を認め、虚血性腸炎を疑う所見であった。第10病日に下部消化管内視鏡検査施行したところ終末回腸に縦走性の潰瘍を認め、生検を施行したが虚血性腸炎と矛盾しない所見であった。第11病日に軽快退院。CT、小腸透視でフォローアップしているが回腸末端に全周性の狭窄と蠕動運動の低下を認めるものの通過障害なく経過は良好である。虚血性腸炎から門脈ガス血症を生じた病態と考えられ、比較的稀な症例を経験したためここに報告する。
索引用語 門脈ガス血症, 虚血性腸炎