セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
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タイトル | Y4-2:診断に苦慮した消化管ALアミロイドーシスの一例 |
演者 | 牟田 優(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科) |
共同演者 | 山内 淳嗣(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 渡邉 幸太郎(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 橋本 佳愛子(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 西村 聡(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 木村 典世(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 廣橋 研志郎(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 西川 義浩(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 渡辺 昌樹(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 加藤 洋子(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 工藤 寧(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 河野 孝一朗(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 高 忠之(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 浅田 全範(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 福永 豊和(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 川口 清隆(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科), 八隅 秀二郎(田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器内科) |
抄録 | 【緒言】ALアミロイドーシスは多発性骨髄腫の約10%に合併し、腸管平滑筋や自律神経節への沈着による腸管運動障害のために麻痺性イレウスの原因となりうる。【症例】症例は84歳女性。1ヶ月前から徐々に経口摂取が低下し1週間前から排便停止。排ガス停止し頻回の嘔吐を認めたため翌日に当院救急外来を受診。CTにて胃から回腸にわたって腸管拡張と直腸壁肥厚を認めた。15年前に腹腔鏡下胆嚢摘出術の既往があることから癒着性イレウスの疑いとして当科に緊急入院となった。経鼻内視鏡下にイレウスチューブ挿入した際に前庭部幽門輪周囲に全周性の不整な粘膜肥厚を認めたため、進行胃癌を疑い生検を施行した後に、イレウスチューブを空腸に留置して終了した。減圧図るも腸蠕動弱く腸管拡張の改善に乏しく、生検の病理診断からは腫瘍性変化の判断は困難であった。癒着以外に慢性偽性腸閉塞のような腸管運動障害の関与も疑われたため腸管運動改善薬をするも薬剤反応性に乏しくイレウスは遷延した。入院2週間後より徐々に舌肥大が出現した。尿中ベンスジョーンズ蛋白陽性であり生検標本を再染色すると間質にアミロイド沈着を認めたため、臨床的に消化管アミロイドーシスによる麻痺性イレウスと診断した。高齢であり全身状態不良であるため積極的な治療介入は行えず第54病日に永眠された。剖検では舌から胃、小腸、直腸など全腸管にALアミロイドの沈着を認め、骨髄には多数の形質細胞が認められたことから、多発性骨髄腫に合併したALアミロイドーシスと診断された。【考察】ALアミロイドーシスでは中枢神経系を除く全ての臓器間質にアミロイドが沈着しうるが、沈着臓器は症例により異なり本症例では消化管を中心に沈着していた。また多発性骨髄腫に合併したALアミロイドーシスは一般に予後不良と言われるが、初期には食思不振や便秘などの非特異的な症状を呈することが多くしばしば診断が困難となる。今回、診断に苦慮した消化管ALアミロイドーシスの一例を経験したので若干の文献的考察を交え報告する。 |
索引用語 | アミロイドーシス, 麻痺性イレウス |