セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y4-8:

上腸間膜動脈(SMA)症候群により急性胃拡張、門脈ガス血症を起こした1例

演者 中井 敦史(兵庫県立尼崎病院)
共同演者 北村 悟(兵庫県立尼崎病院), 山崎 友裕(兵庫県立尼崎病院), 菱谷 英理子(兵庫県立尼崎病院), 平松 由紀子(兵庫県立尼崎病院), 生田 耕三(兵庫県立尼崎病院), 出田 雅子(兵庫県立尼崎病院), 山内 雄揮(兵庫県立尼崎病院), 野本 大介(兵庫県立尼崎病院), 梅田 誠(兵庫県立尼崎病院), 川崎 公男(兵庫県立尼崎病院), 松村 毅(兵庫県立尼崎病院), 斎田 宏(兵庫県立尼崎病院), 木村 利幸(兵庫県立尼崎病院)
抄録 【上腸間膜動脈(SMA)症候群により急性胃拡張、門脈ガス血症を起こした1例】兵庫県立尼崎病院 消化器内科中井 敦史、北村 悟、山崎 友裕、菱谷 英理子、平松 由紀子、生田 耕三、出田 雅子、山内 雄揮、野本 大介、梅田 誠、川崎 公男、松村 毅、斎田 宏、木村 利幸【主訴】嘔吐【現病歴】7年間施設入所中、2011年8月5日突然の嘔吐数回あり。腹部単純CTにて胃の著明な拡張認め当院紹介、緊急入院となった。【既往歴】右大腿骨頚部骨折(2009年)、頚椎疾患、身体障害者2級【家族歴】特記事項なし【生活歴】喫煙なし、飲酒なし、アレルギーなし【体重】29.4kg【血液検査】WBC 8800/μl(Neutro 91.6%)、RBC 419万/μl、Hb 13.1g/dl、CPK 271IU/l、CRP 2.07mg/dl、pH 7.43、PaO2 66.9mmHg、PaCO2 39.1mmHg、重炭酸 25.5mmol/l、B.E. 1.7mmol/l【腹部単純CT】胃および十二指腸水平脚より口側の著名な拡張あり、胃壁・十二指腸壁・門脈内にガス像を認めた。【経過】閉塞起点は上腸間膜動脈の圧排を受けており、SMA症候群と診断した。血液検査ではacidosisの進行はなく胃管挿入し、絶食補液で保存的加療を行った。一時、発熱高値認め、ショック状態となったが徐々に軽快を認めた。第3病日の腹部単純CTでは、消化管壁内ガスと門脈内ガスは消失していた。第4病日に胃管から造影検査施行。造影剤は十二指腸水平脚を容易に通過した。第6病日の上部消化管内視鏡では窮隆部~胃体上部、胃体中部~前庭部の後壁側の粘膜にうろこ状の発赤を認めた。同日食事再開し、経過は良好であり第21病日に療養型病院に転院となった。【考察】るいそうの高齢者のSMA症候群により門脈ガス血症を発症し、保存的加療で軽快した1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。【Key word】SMA症候群、門脈内ガス
索引用語 SMA症候群, 門脈内ガス