セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F2-5:

虚血性回腸炎を契機に回腸狭窄・腸閉塞を来たした1症例

演者 奥田 智裕(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科)
共同演者 藤田 幹夫(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 北本 博規(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 猪熊  哲朗(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科)
抄録 【症例】76歳男性【主訴】腹痛、下痢、嘔吐【既往歴】陳旧性心筋梗塞、脳梗塞、慢性閉塞性動脈硬化症、糖尿病、慢性腎不全で維持血液透析中【現病歴】2012年8月16日夕食後より右下腹部、心窩部痛が出現し、頻回の水様下痢を認めた。翌17日、下痢は消失したが、数十回の嘔吐を認め、全身倦怠感が出現し歩行困難となり当院救急受診した。来院時、腹部膨満感認めたため、感染性腸炎、腸閉塞を疑い血液検査、腹部造影CT検査を施行した。炎症反応は高値(CRP 7.29mg/dL WBC 10000/μL)で、造影CTでは空腸・回腸は拡張し腸液が著明に貯留しており、明らかな閉塞部位なかったが一部の回腸に造影不良域を認めたため、回腸虚血とそれに伴った腸閉塞を疑い緊急入院となった。【入院後経過】第3病日の腹部造影CTでは虚血部腸管の血流は改善していたが、腸管の拡張像の増悪を認めた。イレウス管を挿入しパンテノール、ジノプロストによる保存的治療を行った。イレウス管は進行し、腸内容物は排液できたが、排ガス排便なく腹部膨満感は改善に乏しかった。イレウス管造影を数回行ったが狭窄部の造影はできず大腸への造影剤流出も認めなかった。CT像から狭窄部位は回腸と考え、第18病日経肛門的小腸内規鏡検査を施行したところ、上部回腸に全周性の潰瘍を伴う瘢痕狭窄認めた。逆行性造影にて8cm長にわたり内腔が径6mm程度と高度に狭窄を認めた。内科的治療は困難と考え第26病日に回腸部分切除術を施行した。開腹所見では回腸末端から約130cmに腸管の壁肥厚を認めたが、小腸壁の色調に著変なく、周囲腸間膜動脈の血管拍動を十分に認めた。病理学組織学的には、狭窄腸管の粘膜ひだは消失し、縦走潰瘍を認め、粘膜は壊死し肉芽組織で置換されているが、粘膜筋板や固有筋層の壊死は軽度であり腸管の一過性の虚血変化に矛盾しなかった。小腸は側副血行路が発達しており虚血に陥りにくいとされているが、今回、虚血性回腸炎を機に回腸狭窄となり腸閉塞に至った症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腸閉塞, 虚血性回腸炎