セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F3-2:

内視鏡的切除10年後に多発肝転移、イレウス症状にて再発した直腸カルチノイドの一例

演者 武居 晃平(赤穂市民病院 消化器科)
共同演者 松浦 敬憲(赤穂市民病院 消化器科), 松本 善秀(赤穂市民病院 消化器科), 三井 康裕(赤穂市民病院 消化器科), 勝谷 誠(赤穂市民病院 消化器科), 高原 秀典(赤穂市民病院 消化器科), 高尾 雄二郎(赤穂市民病院 消化器科), 小野 成樹(赤穂市民病院 消化器科)
抄録 症例は77歳女性。主訴は腹痛、便秘。既往歴は10年前に直腸カルチノイドを内視鏡的に切除。家族歴は特記事項なし。現病歴は平成24年5月下腹部痛あり、その後増悪し、下痢、下血もあったため近医を受診。CFにて虚血性腸炎を疑われ、近医に入院。腹部CTにて多発肝腫瘍疑われ、精査目的にて当科に紹介され入院となった。入院時血液検査では貧血、炎症所見、肝機能異常のいずれも認めず、腫瘍マーカーも異常を認めなかった。腹部エコーで肝に多発性の高エコー~一部低エコー腫瘤を認め、腹部CTでも肝内に内部不整で嚢胞性部分を含むLDAの多発とS状結腸の壁肥厚を認めた。CFではS状結腸に約20cmにわたって狭窄を認めた。同部の生検では炎症細胞浸潤、繊維化を認めたが、上皮に異型は乏しく悪性所見はなかった。注腸検査ではS状結腸全域に拡張不良、不整な狭窄像を認めた。診断に苦慮し、肝腫瘍生検を行った。結果類円形~卵円形状に腫大した核を有する異型細胞が充実性胞巣を形成し、リボン状配列やロゼット形成像を思わせる構造も見られ、免疫染色から神経内分泌腫瘍を支持する所見があり、直腸カルチノイドからの転移を疑った。なおセロトニンは115ng/mLと基準値範囲内であった。S状結腸に関しては診断が確定しなかったが、狭窄症状が強く外科的切除を行った。切除標本の肉眼所見では結腸粘膜に腫瘍や潰瘍形成を認めなかったが、腸管膜は全体に硬く白色充実性の不整腫瘤が結腸壁から結腸壁外脂肪組織内に連続して認められた。病理では免疫染色で肝腫瘍同様にsynaptophysin+、chromogranin+で神経内分泌腫瘍を支持する所見で10年前の直腸カルチノイドの転移再発と診断した。カルチノイドは比較的悪性度が低く、内視鏡的切除後も問題なく経過した為、十分な経過観察ができておらず10年後に突然の発症で転移が発見された。診断に苦慮した内視鏡的切除10年後に転移再発した直腸カルチノイドの症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 直腸カルチノイド, イレウス