セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
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タイトル | Y4-1:興味深い消化管病変を伴ったサルコイドーシスの一例 |
演者 | 小畠 寛子(六甲アイランド甲南病院 内科) |
共同演者 | 大森 靖弘(六甲アイランド甲南病院 内科), 上田 舞(六甲アイランド甲南病院 内科), 寺師 江美(六甲アイランド甲南病院 内科), 畑澤 友里(六甲アイランド甲南病院 内科), 荒井 隆志(六甲アイランド甲南病院 内科), 肥後 里実(六甲アイランド甲南病院 内科), 谷尻 力(六甲アイランド甲南病院 内科), 土橋 大輔(六甲アイランド甲南病院 内科), 西岡 千晴(六甲アイランド甲南病院 内科), 山田 浩幸(六甲アイランド甲南病院 内科), 北垣 一成(六甲アイランド甲南病院 内科) |
抄録 | 症例は59歳女性。8年前に当科で上部消化管内視鏡を施行され多発胃潰瘍と診断された。サワシリン+クラリスロマイシン+ランソプラゾールにてHP除菌を試みたが不成功であり、2次除菌目的で他院紹介となりその後は当科には通院していなかった。3年前にぶどう膜炎を発症し、サルコイドーシスと診断された。発熱・頚部腫脹・結節性紅班がしばしば見られていたが、ステロイド投与はされず再発寛解を繰り返していた。入院14日前から37度台の発熱が続き、抗生剤を投与されていたが改善しないため入院2日前に当科紹介受診され、精査加療目的で入院となった。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃体下部前壁にひだの集中を伴う潰瘍・後壁には縦走潰瘍を認め、その周囲には多数の胃潰瘍瘢痕を認めた。また大腸内視鏡検査では上行結腸に10mm大の糜爛を伴う白色調扁平隆起性病変を認め、拡大観察ではI型pit patternであった。いずれも生検による病理組織診断では明らかな非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫は認めなかったが、サルコイドーシスに関連する病変である可能性が高いと考えた。発熱・結節性紅班・ぶどう膜炎・頚部腫脹・関節炎はサルコイドーシスの症状と考えられ、繰り返す症状のためQOLが損なわれていると判断したため、入院19日目よりPSL20mg/日で治療を開始し、23日目に退院となった。治療開始後66日目の上部消化内視鏡では胃潰瘍はH1stageまで改善しており、324日目には瘢痕化していた。また治療開始後154日目の大腸内視鏡検査では前回認めたびらんを伴う扁平隆起は消失していた。今回興味深い胃・大腸病変を伴ったサルコイドーシスの一例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | サルコイドーシス, 難治性潰瘍 |