セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F4-2:

特に誘引なく急性増悪した高齢者慢性B型肝炎の2例

演者 長野 広之(天理よろづ相談所病院)
共同演者 宮島 真治(天理よろづ相談所病院), 吉川 貴章(天理よろづ相談所病院), 美馬 淳志(天理よろづ相談所病院), 岡部 誠(天理よろづ相談所病院), 森澤 利之(天理よろづ相談所病院), 塩 せいじ(天理よろづ相談所病院), 木田 肇(天理よろづ相談所病院), 岡野 明浩(天理よろづ相談所病院), 冲永 聡(天理よろづ相談所病院), 大花 正也(天理よろづ相談所病院), 久須美 房子(天理よろづ相談所病院), 鍋島 紀滋(天理よろづ相談所病院)
抄録 症例1は91歳女性。1年半前にびまん性大細胞性リンパ腫(以下DLBCL)と診断。その際の採血でHBs Ag(+)、HBs Ab(+)を指摘。DLBCLについては無治療で経過観察となりB型肝炎とあわせて当院血液内科にてフォローされていた。入院2日前より間欠的な腹痛、黄疸を指摘。入院当日、血液内科外来にてALT 564、T-Bil 11.1、PT% 42.6%と肝機能異常、HBs Ag(+)、HBs Ab(-)と抗体の陰転化を認め当院消化器内科入院。以前のdataではHBV-DNA 3.7Logであったが今回はHBV-DNA >9.1 Logと増加が見られた。A型肝炎、自己免疫性肝炎等の他の疾患の合併を疑う所見、検査結果はなかった。慢性B型肝炎の急性増悪と診断し、エンテカビルの内服を開始したが肝不全が進行。Day13には脳症も出現。Day16に永眠された。症例2は80歳女性。12年前から慢性B型肝炎を指摘されていた。入院4日前から食思不振と黄疸あり。当院消化器内科され、ALT 948、T-Bil 27.5、PT% 42.3%と肝機能異常、HBs Ag(+)、HBs Ab(-)と抗体は陰性、また脳症も認め入院。以前のデータは無かったが、HBV-DNAは8.8 log と高値を認めた。1例目と同様に慢性B型肝炎の急性増悪と診断し、エンテカビルの内服を開始、ステロイドパルスも行ったが肝不全と脳症が進行。Day30に永眠された。2症例共にウイルス増殖の要因になるような免疫抑制剤・抗癌剤・ステロイドの使用、他のウイルスの感染、過度の飲酒などは無かった。今回特に誘引なく急性増悪した高齢者慢性B型肝炎2例を経験した。
索引用語 肝炎, B型肝炎