セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F3-3:

大腸複合型腺神経内分泌癌(MANEC)の一例

演者 朝山 彬(市立福知山市民病院 消化器内科)
共同演者 柏木 里織(市立福知山市民病院 消化器内科), 堀田 祐馬(市立福知山市民病院 消化器内科), 藤野 誠司(市立福知山市民病院 内科), 片山 貴之(市立福知山市民病院 消化器内科), 新美 敏久(市立福知山市民病院 消化器内科), 土佐 正俊(市立福知山市民病院 消化器内科), 奥田 隆史(市立福知山市民病院 消化器内科), 小牧 稔之(市立福知山市民病院 消化器内科), 永田 昭博(市立福知山市民病院 病理診断科), 香川 惠造(市立福知山市民病院 消化器内科)
抄録 【目的】極めて稀な大腸複合型腺神経内分泌癌(mixed adenoneuroendocrine carcinoma; MANEC)の症例を経験したので報告する。【症例】60歳代女性。腹痛、意識レベル低下を主訴に当院救急外来を受診し、上行結腸の腫瘍による大腸閉塞、bacterial translocation、肝膿瘍、敗血症性ショックの診断で入院となった。イレウス管、肝膿瘍ドレーンを挿入し集中治療を行い、全身状態が改善したところで第17病日、減圧目的に小腸ストーマ増設を行った。さらに全身状態の改善を認めたため、下部消化管内視鏡を施行し上行結腸に管腔を占拠する1型腫瘍を確認した。生検結果はGroup5, tub1であり、第44病日に右半結腸切除術ならびに小腸ストーマ閉鎖術を行った。病理では組織像が多彩であり、高分化腺癌、低分化腺癌に加えて神経内分泌腫瘍の存在が疑われた。免疫染色の追加ではクロモグラニンA、シナプトフィジンのいずれもが陽性であり、MANEC, SE N0 M0, Stage IIと診断した。術後約4か月で肝転移再発を認めたため現在外来化学療法中である。【結語】神経内分泌腫瘍については、その疾患概念が2010年にWHO分類にて新たに定義されており、大腸癌の0.2%程度と報告されている。特に大腸のMANECは極めて稀であり、また予後が悪く治療法が確立されていないことが知られている。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 大腸癌, MANEC