セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y6-6:

閉塞性黄疸を合併した黄色肉芽腫性胆嚢炎の一例

演者 河野 匡志(近畿大学医学部堺病院 消化器内科)
共同演者 丸山 康典(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 松本 望(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 高場 雄久(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 奥村 直己(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 山本 典雄(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 冨田 崇文(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 梅原 康湖(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 谷池 聡子(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 森村 正嗣(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 米田 円(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 山田 哲(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 辻 直子(近畿大学医学部堺病院 消化器内科), 船井 貞往(近畿大学医学部堺病院 外科), 落合 健(近畿大学医学部堺病院 病理診断科), 前倉 俊治(近畿大学医学部堺病院 病理診断科), 南 康範(近畿大学医学部 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部 消化器内科)
抄録 【症例】60歳代男性【主訴】黄疸【既往歴】高血圧【現病歴】55歳頃より胆石を指摘され時々胆石発作があったが様子をみていた。約2カ月前に胆石発作があり症状は軽快していたが1週間前より家人に皮膚黄染を指摘され近医受診し当院紹介入院となった。【現症】全身黄染を認めるが腹部は平坦軟で腫瘤や圧痛を認めず【検査成績】T-Bil=12.2 mg/dl、ALP=1120 IU/l、AST/ALT=117/125 IU/l、γGT=1638 IU/l、CRP=1.3 mg/dl、WBC=7100/µl、CEA=6.3 ng/ml、CA19-9=89.6 U/ml、画像検査:各種画像で胆石と肝内胆管拡張を認め総胆管結石は認めなかった。胆嚢については腹部超音波では胆嚢壁の著明な肥厚と近傍に等~低エコー域を認めCTおよびMRI/MRCPでは胆嚢粘膜面の連続性が保たれたびまん性壁肥厚と壁内嚢胞様構造を認めた。明らかなリンパ節腫大は認めなかった。【経過】ERCで上部胆管に狭窄を認めチューブステントを留置し減黄した。胆嚢は造影されず胆汁細胞診は陰性であった。黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)の胆嚢周囲および上部胆管への炎症波及を疑ったが胆嚢癌肝胆管浸潤は否定できず開腹手術となり、術中迅速検査でXGCと診断されたため胆嚢摘出術のみが行われた。術後4ヶ月目のMRCPでは上部胆管の狭搾は残存しているが黄疸は認めず肝機能は良好である。【考察】XGCは慢性胆嚢炎の稀な亜系と考えられており、臨床的に胆嚢癌との鑑別診断が困難なことが多い。今回は閉塞性黄疸も合併し診断とともに手術適応についても苦慮したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 黄色肉芽腫性胆嚢炎, 閉塞性黄疸