セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y1-7:

止血処置に難渋した十二指腸GISTの一例

演者 三浦 翔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科)
共同演者 吉中 勇人(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 西尾 昭宏(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 吉田 竜太郎(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 居軒 和也(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 印藤 直彦(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 佐々木 翔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 八木 洋輔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 片岡 純子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 末吉 伸行(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 矢野 雄飛(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 山岡 優子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 廣吉 康秀(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 阿南 隆洋(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 阿南 会美(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 松井 佐織(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 菅原 悦子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 渡辺 明彦(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 菅原 淳(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 向井 秀一(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科)
抄録 症例は60歳代の男性。下腹部痛を主訴に来院した。上部消化管内視鏡(GS)にて十二指腸下行脚の乳頭肛門側に約30mm大の粘膜下腫瘍(SMT)を認めたため、生検を行った。数日後からタール便が出現し、GS再検で、十二指腸SMTの生検部からの出血を認め、内視鏡的止血術(アルゴンプラズマ凝固法)を行った。その後も止血が得られず、止血鉗子法を追加した。以降のGS所見ではSMT頂部の粘膜は欠損し、内部の組織が露出する形状に変化していた。造影CTでは境界明瞭で造影効果を認める充実性腫瘤で周囲臓器への浸潤やリンパ節転移は認めなかった。EUSでは内部は均一で第4層(固有筋層)と連続性を示す低エコー腫瘤であった。生検では確定診断は得られなかったが、治療的診断を兼ねて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を行ったところ、病理組織でc-kit陽性、CD34陽性で細胞異型性や核分裂像が乏しい低リスクのGISTと診断した。GIST診療ガイドラインでは内視鏡による生検は必須とされているが、今回のように止血処置に難渋した十二指腸GISTの報告は稀であるため、若干の文献学的考察を加え報告する。
索引用語 GIST, 出血