セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
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タイトル | Y4-9:脾静脈由来の平滑筋肉腫の一例 |
演者 | 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 佐竹 悠良(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 光岡 英世(神戸市立医療センター中央市民病院 外科), 八木 真太郎(神戸市立医療センター中央市民病院 外科), 貝原 聡(神戸市立医療センター中央市民病院 外科), 細谷 亮(神戸市立医療センター中央市民病院 外科), 今井 幸弘(神戸市立医療センター中央市民病院 臨床病理科) |
抄録 | 症例は66歳女性。2012年3月頃より左側腹部痛を自覚していたが経過観察していた。同4月、他院CTで膵尾部付近に腫瘍性病変を認めたため、精査目的に当院に紹介となった。造影CTでは膵体尾部背側に径10cm程度の腫瘍性病変を認め、病変は多結節状で不均一な造影効果を呈していた。また脾動脈から腫瘍への流入血管を認め、腫瘍周囲への浸潤傾向は乏しかった。MRIでは病変はT1強調画像では低信号、T2強調画像で中間信号を呈していた。ソナゾイド造影超音波では、病変は多血性の腫瘤として描出され、内部に不規則に蛇行する多数の血管を認めた。超音波内視鏡では膵尾部領域に病変が描出され、病変の内部エコーは大きさの割には比較的均一で、腫瘍内部に出血・壊死を疑う部分を認めなかった。ERCPでは、膵体尾部付近で腫瘍により圧排されるような膵管径の変化は認めるものの、明らかな主膵管の途絶や狭窄は認めなかった。膵液細胞診は陰性であった。腫瘍が大きく膵も変位しており、腫瘍の発生起源が膵であるのか膵外であるのかの判別が難しかったが、各種画像所見は通常型膵管癌としては非典型的であり、術前診断としては膵内分泌腫瘍や膵外の後腹膜腫瘍を疑った。EUS-FNAは播種のリスクを考慮し施行せず、画像上明らかな転移を疑う所見もないことから、膵体尾部切除術を施行した。摘出標本の病理組織学的に検討したところ、Desmin陽性、CD34陰性の紡錘形の腫瘍細胞の増生を認め、腫瘍は脾静脈内を大きく占拠していた。組織学的には膵実質への浸潤に乏しく、脾静脈由来の平滑筋肉腫と診断した。今回、極めてまれな脾静脈由来の平滑筋肉腫の一例を経験したため、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 脾静脈, 平滑筋肉腫 |