セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F5-7:

EUS-FNA施行後重症急性膵炎を生じた1例

演者 南川 健(関西医科大学 卒後臨床研修センター)
共同演者 高岡 亮(関西医科大学 消化器肝臓内科), 伊藤 嵩(関西医科大学 消化器肝臓内科), 三好 秀明(関西医科大学 消化器肝臓内科), 池浦 司(関西医科大学 消化器肝臓内科), 楠田 武生(関西医科大学 消化器肝臓内科), 中丸 洸(関西医科大学 消化器肝臓内科), 堀 雄一(関西医科大学 消化器肝臓内科), 住本 貴美(関西医科大学 消化器肝臓内科), 栗島 亜希子(関西医科大学 消化器肝臓内科), 島谷 昌明(関西医科大学 消化器肝臓内科), 内田 一茂(関西医科大学 消化器肝臓内科), 関 寿人(関西医科大学 消化器肝臓内科), 岡崎 和一(関西医科大学 消化器肝臓内科)
抄録 症例は44歳、男性。肝腫瘍の精査目的で当科を紹介された。造影CTにて膵頭部に動脈相~平衡相で軽度の造影効果を有する15mm大の腫瘍を認めた。非機能性膵神経内分泌腫瘍を疑い、病理学的診断、EUS-FNA目的で入院となった。EUSにて膵頭部に13×14mm大の類円形、内部エコー均一低エコーの充実性腫瘍を認めた。十二指腸下降脚から25G FNA針で穿刺吸引組織診細胞診を施行した。検査3時間後採血にて膵AMYの上昇を認め、検査5時間後より著明な腹痛を訴えた。急性膵炎と診断し加療を開始したが、その後も腹痛が持続し、検査9時間後の造影CTにて膵全体の腫大と膵周囲炎症波及を認めた。検査20時間後の造影CTでは膵全体の腫大と炎症波及の進展、膵体部の造影不良域を認め、CTgrade2で重症急性膵炎と診断した。集中治療室管理とし、中心静脈栄養、動注療法等を行った。検査4日後のCTでは両側胸水と膵のびまん性腫大を認めたが、周囲炎症波及は改善傾向を認めた。7日後のCTで膵腫大の軽減傾向を認めた。検査8日後には血液検査で炎症の軽快傾向(CRP<10mg/dl)を認め、経管栄養を開始、12日後より食事を開始し、20日後軽快退院した。
EUS-FNAの合併症は1-2%と報告され出血、膵炎、感染などが主で、安全な処置と考えられている。今回EUS-FNA後に重症急性膵炎を生じた症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 EUS-FNA, 重症急性膵炎