セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F1-5:消化管出血および小腸重積を呈した巨大十二指腸ブルンネル腺過誤腫の1例 |
演者 | 阿部 純子(大阪大学 消化器内科) |
共同演者 | 中堀 輔(大阪大学 消化器内科), 新崎 信一郎(大阪大学 消化器内科), 山田 拓哉(大阪大学 消化器内科), 岩橋 潔(大阪大学 消化器内科), 井上 隆弘(大阪大学 消化器内科), 江崎 久男(大阪大学 消化器内科), 宮崎 昌典(大阪大学 消化器内科), 藥師神 崇行(大阪大学 消化器内科), 西田 勉(大阪大学 消化器内科), 平松 直樹(大阪大学 消化器内科), 辻井 正彦(大阪大学 消化器内科), 黒川 幸典(大阪大学 消化器外科), 森 正樹(大阪大学 消化器外科), 土岐 祐一郎(大阪大学 消化器外科), 竹原 徹郎(大阪大学 消化器内科) |
抄録 | 症例は40歳代男性。精神発達遅滞、強迫性障害に対し当院精神神経科外来に通院加療中であった。2012年2月、倦怠感を主訴に近医を受診。血液検査にて著明な貧血(Hb 2.1 g/dL)を指摘され、当科外来に紹介され緊急入院となった。上部消化管内視鏡検査にて、分葉状の頭部が水平脚に位置する十二指腸球部由来の径30mm大の山田IV型ポリープを認め、下十二指腸角にはポリープの長い茎の接触によると考えられるA2 stageの潰瘍を伴い、出血源と考えられた。赤血球輸血のうえ保存的加療を行い、貧血が改善した後に、再度上部消化管内視鏡検査を施行したところ、下十二指腸角の潰瘍はH1 stageまで改善していた。十二指腸ポリープの頭部より生検を行ったが異所性胃粘膜の診断であり、確定診断には至らなかった。患者の基礎疾患を考慮し、十二指腸ポリープについては経過観察を行う方針となった。同年6月、黒色便、腹痛を認めたため当科外来を再診。臍部中心に圧痛を認めたため、腹部造影CT検査を施行し十二指腸ポリープによる小腸重積と診断した。内視鏡的整復を試みたが重積は解除できず、開腹下に重積を解除したのちに、十二指腸ポリープを切除した。切除病変は、最大径3cmの灰白色~茶褐色を呈する充実状の頭部と多数の嚢胞を有する長径10cm、短径3-4cmの茎部にて構成される全長13cmの有茎性ポリープであり、病理組織学的検査にてブルンネル腺過誤腫と診断した。十二指腸ブルンネル腺過誤腫は無症状にて偶発的に発見される場合が多いが、本症例は、文献を検索しうる範囲で腫瘍径は最大であり、消化管出血や腸重積などの多彩な臨床症状を呈した。貴重な症例と考えられたため、若干の文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | ブルンネル腺過誤腫, 小腸重積 |