セッション情報 一般演題

タイトル 48:

憩室内腺腫に対する内視鏡的加療後遺残病変の1切除例

演者 中本 貴透(奈良県立医科大学 消化器・総合外科)
共同演者 小山 文一(奈良県立医科大学 消化器・総合外科DELIMITER奈良県立医科大学 中央内視鏡・超音波部), 中川 正(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 中村 信治(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 植田 剛(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 錦織 直人(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 井上 隆(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 川崎 敬次郎(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 尾原 伸作(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 藤井 久男(奈良県立医科大学 中央内視鏡・超音波部), 中島 祥介(奈良県立医科大学 消化器・総合外科)
抄録 症例は60歳台、女性。平成24年2月中旬に近医での下部消化管内視鏡検査で上行結腸に20mm大のIIa病変を指摘され、4月初旬に同病変に対し内視鏡的粘膜下層剥離術(以下;ESD)を施行された。その際、病変の中央部が遺残した。同部位は憩室内に発育した病変であることがわかり、内視鏡的に切除不可能と判断された。前医切除病変の病理組織診断は、高度異型腺腫であった。同遺残病変の加療目的に5月下旬に当科紹介受診となった。6月中旬当院での下部消化管内視鏡検査では、同部位は白色瘢痕化しており、一見して腫瘍性成分は認められなかった。しかし、超音波内視鏡検査にて第1層から第3層の菲薄化と第3層直下の低エコー腫瘤像が認められ、ESD後遺残病変と診断した。同病変に対し、7月中旬に腹腔鏡補助下回盲部切除術及びD2郭清を施行した。病理組織診断は、筋層から漿膜下層にかけて嚢胞状に拡張した領域に異型腺管が存在し、内視鏡的治療後の遺残病変と診断された。憩室内に存在する腺腫に対する治療に関して、現在一定の見解は得られていない。憩室内腺腫に対する内視鏡的加療後遺残病変の1切除例を経験したため、文献的考察を加え報告する。
索引用語 憩室内腺腫, 上行結腸腺腫