セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F2-7:

ダブルバルーン小腸内視鏡にて経時的な形態の変化を観察し得た空腸平滑筋種の1例

演者 福本 賢二(関西労災病院 消化器内科)
共同演者 柄川 悟志(関西労災病院 消化器内科), 吉水 祥一(関西労災病院 消化器内科), 土居 哲(関西労災病院 消化器内科), 嶋吉 章紀(関西労災病院 消化器内科), 阿部 佳奈子(関西労災病院 消化器内科), 板倉 史晃(関西労災病院 消化器内科), 小豆澤 秀人(関西労災病院 消化器内科), 戸田 万生良(関西労災病院 消化器内科), 中村 剛之(関西労災病院 消化器内科), 糸瀬 一陽(関西労災病院 消化器内科), 牧野 仁(関西労災病院 消化器内科), 望月 圭(関西労災病院 消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院 消化器内科), 萩原 秀紀(関西労災病院 消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院 消化器内科)
抄録 症例は80歳代男性。腹痛、黒色便を主訴に平成23年4月他院受診し、Hb8.8g/dlと貧血を認めたため上部および下部消化管内視鏡検査施行されたが、出血源を認めなかった。小腸カプセル内視鏡検査で上部空腸に腫瘤を疑われため、ダブルバルーン小腸内視鏡検査施行目的で平成23年5月当科紹介入院となった。経口的ダブルバルーン小腸内視鏡にてTreitz靭帯から50cm付近の空腸に、中心にdelleを伴う15mm径の粘膜下腫瘍を認めた。病理組織検査では悪性所見を認めず、サイズも小さいため経過観察の方針とした。平成23年9月再度経口的ダブルバルーン小腸内視鏡検査を行ったところ、前回と比較して中心部のdelleは拡大し全体のサイズも増大傾向であった。生検結果では悪性の所見を認めなかったが、4か月で形態・サイズに変化を認めたため、外科的切除の適応があると判断し、同年10月腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した。切除標本の病理結果は、組織学的には異型の乏しい紡錘形細胞が錯綜して増生し、免疫染色の結果SMA(+),c-kit(-),CD34(-),S-100(-),Ki-67 labeling index:1-2%であり、平滑筋種と診断した。本症例は管内発育型の粘膜下腫瘍の形態を呈し、4か月の経過で腫瘍の露出部の増大を認めた。経時的な形態変化の報告例は少なく、小腸平滑筋種の自然経過を観察し得た稀な症例であると考え、文献的考察を加え報告する。
索引用語 平滑筋腫, 空腸