セッション情報 一般演題

タイトル 61:

PEG+RBV併用療法再燃後のウイルス減少時期に再度のPEG+RBV併用療法を試みて著効に至った2例 ― Two-step interferon rebound therapy(TIRT)の試み ―

演者 福島 寿一(兵庫県立西宮病院 消化器内科)
共同演者 松本 仁(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 安田 華世(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 青井 健司(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 斎田 美希(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 池添 世里子(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 森田 香織(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 増田 江利子(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 柳川 和範(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 楢原 啓之(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 安永 祐一(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 乾 由明(兵庫県立西宮病院 消化器内科), 河田 純男(兵庫県立西宮病院 消化器内科)
抄録 C型肝炎に対して1990年代初めに始まったインターフェロン(IFN)療法は、リバビリン(RBV)やペグインターフェロン(PegIFN)の開発・導入に伴い治療成績は向上してきた。しかし2004年以降標準的治療となったPegIFN+RBV2剤併用療法においても、難治性の1型高ウイルス量症例のウイルス排除率は5割強に留まっている。今年に入り始まったプロテアーゼインヒビター、テラプレビル(TVR)を加えた3剤併用療法は、2剤無効例への効果が弱く、皮膚症状、貧血などの副作用が強いという問題点を抱えている。副作用の少ない3剤併用療法、IFNフリーの治療法の登場が控えているが、高齢化しつつある患者の救済に間に合う状況ではなく、2剤無効例、高齢者症例に対する治療法の模索が続いている。Two-step interferon rebound therapy(TIRT)はIFN単剤投与がC型肝炎治療の主流であった時期に、Katoらが試みIFN奏功率を上げていた治療法である。IFNによってウイルス排除のできなかった症例の中に、ウイルス量が投与終了後に増殖し、自身の免疫力によって激減する例があり、ウイルスが激減した時点でIFNを再投与することにより、極めて高率にウイルス排除が可能になるというものである。今回、PegIFN+RBV併用療法後に再燃し、その後ウイルス量が激減する時期に再度PegIFN/RBV併用療法を行い著効に至った慢性肝炎と急性肝炎の2症例を経験したので、今後の治療への展望も交えて報告する。
索引用語 TIRT, IFN療法