セッション情報 一般演題

タイトル 13:

好酸球性食道炎の1例

演者 陶山 遥介(京都第一赤十字病院 消化器内科)
共同演者 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院 消化器内科), 寺崎 慶(京都第一赤十字病院 消化器内科), 豊川 優季(京都第一赤十字病院 消化器内科), 中野 貴博(京都第一赤十字病院 消化器内科), 田中 信(京都第一赤十字病院 消化器内科), 間嶋 淳(京都第一赤十字病院 消化器内科), 川上 巧(京都第一赤十字病院 消化器内科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院 消化器内科), 戸祭 直也(京都第一赤十字病院 消化器内科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院 消化器内科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院 消化器内科), 奥山 祐右(京都第一赤十字病院 消化器内科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院 消化器内科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院 消化器内科)
抄録 好酸球性食道炎は嚥下困難や食道のつまり感などの症状を有し、食道粘膜に著明な好酸球浸潤をきたすアレルギー性疾患である。以前より欧米では注目されている疾患ではあるが、本邦では消化器内科の領域でも認知度の低い疾患の一つと考えられる。【症例】87歳、男性。【主訴】食道のつまり感。【既往歴】2000年-左腎癌術後。2001年より前立腺癌にてホルモン療法中。【現病歴】2012年7月頃より食道のつまり感、食欲不振を主訴に当科紹介。上部消化管内視鏡検査施行したところ、中下部食道に発赤状で白色の残渣の付着した食道粘膜を認め、非特異的な食道炎の所見であった。同部位から生検施行したところ、食道粘膜内に多数の好酸球浸潤を認めた。PPI内服処方するも改善なく、8月末頃より嚥下困難も増強してきたため、好酸球性食道炎の疑いで精査進められた。【経過】血液検査上、WBC 5500/ul (好酸球 10.7%)と末梢血中の好酸球増多を認めた。再度上部消化管内視鏡施行したところ、中下部食道に軽度のringsとwhite exudatesを認め、また上中下部食道で生検行うも、上部食道を除く中下部食道で好酸球の著明な浸潤を認めた。さらに、24時間食道インピーダンス・pHモニタリング検査(Sleuth○R multi impedance pH monitoring system)施行した。逆流パラメーターが高値、もしくは逆流関連症状回数を総症状回数で割ったものをsympton index (SI)とし、SIが50%以上を逆流関連ありとした。総逆流回数は134回と多く、SIも50%以上であり、逆流との関連性を認めたが、非酸逆流が中心であった。以上の結果より、本症例は好酸球性食道炎と診断しPSL 30mg/日の内服が開始された。内服開始数日後には症状改善を認め、現在は5mg/日まで漸減されるも、症状の再燃なく経過良好である。【考察】好酸球性食道炎は比較的まれな疾患であるが、近年報告例も増えており、認識が高まってきた疾患である。しかし、その病態は依然不明な点も多い。今回我々は、食道インピーダンス・pHモニタリング検査を用いて、胃食道逆流との関連について検討し得た好酸球性食道炎の1例を経験したので、若干の文献的考察を踏まえて報告する。
索引用語 好酸球性食道炎, 24時間食道インピーダンス