セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F3-4:Oxaliplatinに対する過敏性反応発現後、脱感作療法により再投与が可能となった進行大腸癌の3例 |
演者 | 山下 英次郎(京都府立医科大学附属病院 研修医) |
共同演者 | 石川 剛(京都府立医科大学 消化器内科), 松山 竜三(京都府立医科大学 消化器内科), 岡山 哲也(京都府立医科大学 消化器内科), 吉田 直久(京都府立医科大学 消化器内科), 堅田 和弘(京都府立医科大学 消化器内科), 鎌田 和浩(京都府立医科大学 消化器内科), 内山 和彦(京都府立医科大学 消化器内科), 半田 修(京都府立医科大学 消化器内科), 高木 智久(京都府立医科大学 消化器内科), 小西 英幸(京都府立医科大学 消化器内科), 八木 信明(京都府立医科大学 消化器内科), 古倉 聡(京都府立医科大学 消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学 消化器内科) |
抄録 | [背景]進行大腸癌に対する化学療法において、Oxaliplatin(L-OHP)に対する過敏性反応(hypersensitivity reaction:HSR)は治療継続に際して大きな問題となっている。L-OHPに対するHSRを示した後、脱感作療法を行いL-OHP再導入に成功した3例について報告する。[方法]脱感作療法は、入院監視下でステロイド薬、抗ヒスタミン薬の前投薬を強化し、L-OHPは、全投与量の1/1000から10倍ずつ濃い希釈系列を調製し、段階的に投与する方法を用いた。[症例1] 57歳男性、S状結腸癌・同時性多発肝転移に対して20XX年2月に腹腔鏡下直腸切除術施行。同年3月よりmFOLFOX6+Bevacizumabを導入。10コース施行時にL-OHPのHSRを認め中止となった。その後、FOLFIRI+Cetuximabに変更し計6コース施行したがProgression disease(PD)のため、翌年1月に脱感作療法を行いmFOLFOX6を再導入し、以降PDとなるまで計4コース施行した。[症例2] 74歳男性、直腸癌・同時性多発肝転移に対して20XX年12月にmFOLFOX6+Bevacizumabを導入。6コース施行時にL-OHPに対してHSRを認め中止となった。その後、FOLFIRIに変更もPDのため、翌年7月に脱感作療法を行いmFOLFOX6を再導入し、現在までに計6コース施行し、同治療を継続中である。[症例3] 55歳女性、直腸癌・同時性多発肝転移肺転移に対して20XX年7 月に腹腔鏡下直腸切除術施行、同年8月にXELOX導入。3コース施行時にL-OHPのHSRを認め中止となった。その後、FOLFIRI+Cetuximabを6コース施行したがPDとなったため、同年12月に脱感作療法によるmFOLFOX6再導入を行い、その後計5コース施行した。 [考察] L-OHPの脱感作療法は安全性が確立されておらず、アナフィラキシーを起こす可能性もあるため慎重を期すべきであるが、他に治療法がなく、L-OHP再投与の有効性が期待される場合には、十分なinformed consentのもと、選択枝として検討すべきであると考えられる。 |
索引用語 | 大腸癌, オキサリプラチン |