セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y3-5:

ジクロフェナクナトリウム坐剤1回投与にて一気に重症化した潰瘍性大腸炎の1例

演者 酒井 滋企(国立病院機構 滋賀病院 消化器科)
共同演者 藤井 誠(国立病院機構 滋賀病院 消化器科), 五月女 隆男(滋賀医科大学 総合内科学DELIMITER国立病院機構 滋賀病院 救急科), 辻川 知之(国立病院機構 滋賀病院 消化器科DELIMITER滋賀医科大学 総合内科学)
抄録 【症例】症例は40歳代男性。平成7年発症の全大腸炎型潰瘍性大腸炎として通院中であったが、この数年間はロペラミド内服のみで血便なく、便回数1行/日を維持していた。平成22年10月の大腸内視鏡では一部にMatts2の軽度炎症を認めるのみであった。平成24年8月下旬に突然左側腹部の疼痛を認め近医受診、腹部CTにて尿管結石を指摘された。疼痛コントロールのため処方されたジクロフェナクナトリウム坐剤50mgの挿肛にて痛みは軽快したが、翌日より下痢と血便が出現、更に37.8℃の発熱と左下腹部痛も認めたため当科受診、入院となる。大腸内視鏡では一部縦走傾向の潰瘍を認め、重症度は中等度の活動期であった。メサラジン4000mgとPSL30mgの内服で一旦軽快し退院となる。しかしPSL20mgへ減量したところ再び増悪した。再入院時は39℃発熱と血便10行以上、高度の腹痛を認め、重症度は重症であった。サイトメガロウイルス抗原は陰性であったためタクロリムス内服とGCAPを併用し、2週間後にようやく寛解導入しえた。【考察】炎症性腸疾患の増悪因子としてNSAIDsはよく知られているが、具体的な薬物量や投与期間について明確な基準はない。今回、尿管結石の疼痛コントロールとして頻用されるジクロフェナクナトリウム坐剤の1回使用のみで、一気に重症化した潰瘍性大腸炎の症例を経験し、他科との連携や患者への教育などについても教訓的症例と考えられ報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, NSAIDs