セッション情報 一般演題

タイトル 49:

4年以上無症状生存中の癌性腹水を伴うS状結腸リンパ節転移をきたした原発不明癌の1切除例

演者 三城 弥範(医療法人それいゆ会 こだま病院 外科)
共同演者 猪井 治水(医療法人それいゆ会 こだま病院 外科), 蓮尾 直輝(医療法人それいゆ会 こだま病院 消化器内科), 野村 俊之(医療法人それいゆ会 こだま病院 消化器内科), 児玉 慎一郎(医療法人それいゆ会 こだま病院 外科)
抄録 症例は63歳男性。S状結腸間膜の腫瘍に対し開腹手術を施行。癌性腹水を伴っており、姑息的にリンパ節を含むS状結腸を切除した。病理診断では低分化型腺癌であった。病理学的にも臨床的にも原発は特定できなかったが、免疫染色にてCA19-9が陽性を示したことなどを総合的に判断し、膵癌に準じた治療を行うこととした。Gemcitabine+TS-1で術後24ヵ月間無症状、無再発で経過したが、剥離断端より局所再発をきたし、Paclitaxel+Carboplatineに切り替え治療を継続した。しかし術後38ヵ月でProgressive Disease (PD)となり以後無治療にて経過観察している。臨床学的にも悪性腹水を伴う予後不良群で、病理学的にもMIB-1、VEGF、p53が陽性で悪性示唆する所見であったにもかかわらず、術後48ヶ月を経過した現在も無症状にて生存中である。原発不明癌の原発巣推定、治療方針の決定に免疫組織化学的検索が極めて有用であり、予後不良群の原発不明癌に対しても腫瘍減量手術と適切な化学療法の選択にて長期生存を得られる可能性がることを示唆する症例である。
索引用語 原発不明癌, 長期生存