セッション情報 一般演題

タイトル 39:

卵巣嚢腫が関与したと考えられるS状結腸の臓器軸性(organo-axial)捻転による腸閉塞の1例

演者 清水 隆之(大阪府済生会茨木病院 消化器内科)
共同演者 佐藤 千明(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 金村 仁(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 岡本 佳子(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 亀井 宏治(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 松島 由美(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 立田 浩(大阪府済生会茨木病院 消化器内科)
抄録 S状結腸軸捻転の多くは腸間膜を軸に捻転する間膜軸性(mesentero-axial)捻転であり、腸管の長軸を中心に捻転する臓器軸性(organo-axial)捻転はまれである。今回われわれは卵巣嚢腫が関与したと考えられるS状結腸の臓器軸性捻転による腸閉塞の1例を経験したので報告する。【症例】81歳女性【既往歴】慢性心房細動、慢性心不全、脳梗塞。腹部手術歴なし。【現病歴】普段から便秘気味であったが平成XX年8月13日から排便みられず、食事摂取不能となった。8月15日に近医受診し胃腸薬などを処方。しかしその後も症状改善なく腹部膨満著明となり8月16日深夜に当院救急外来受診。【現症】腹部膨満著明も圧痛、筋性防御は認めず。金属音聴取。【腹部単純CT】S状結腸~盲腸にかけての腸管拡張、S状結腸の一部の狭窄を認めた。Whirl signも認めS状結腸捻転の所見だが、通常のS状結腸の間膜軸性の捻転ではなく、腸管の長軸を中心に捻転する臓器軸性捻転の所見を認めた。大腸捻転に巻き込まれる形で回腸の腸間膜も巻き込まれ回腸にも狭窄を認めた。また左卵巣嚢腫を認め、同部にもbeak signが認められ巻き込まれているものと推察された。腹水はなく、血液検査にても腸管壊死を示唆する所見は認めなかった。【経過】翌8月17日に大腸内視鏡による捻転解除を試みた。肛門から約15~20cm挿入した部位に狭窄を認めた。粘膜病変は認めなかった。狭窄部は送気にてやや広がり抵抗なくfiberが通過しその先に多量の便汁と拡張した腸管を認めた。経肛門的イレウス管を留置し可及的に便汁と腸管ガスを吸引し腹部膨満所見が改善するのを確認して終了した。その後イレウス管周囲からも多量の排便を認め、8月20日にはイレウス管を抜去した。【考察】翌8月21日の腹部単純CTでは腸間膜のひきつれおよびイレウスは解除されていた。ただし盲腸と左卵巣嚢腫によりS状結腸が挟まれる格好となっており、相対的にこの部位が狭くなり大腸内容物の貯留具合により不自然な力が加わり臓器軸性の捻転を来たしたのではないかと推測された。
索引用語 臓器軸性捻転, S状結腸