セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y3-6:

潰瘍性大腸炎に腸管気腫症を合併した一例

演者 今井 隆行(滋賀医科大学 消化器内科)
共同演者 神田 暁博(滋賀医科大学 消化器内科), 水田 寛郎(滋賀医科大学 消化器内科), 米倉 伸彦(滋賀医科大学 消化器内科), 杉谷 義彦(滋賀医科大学 消化器内科), 大崎 理英(滋賀医科大学 消化器内科), 児堀 綾子(滋賀医科大学 消化器内科), 望月 洋介(滋賀医科大学 光学診療部), 伴 宏充(滋賀医科大学 消化器内科), 塩谷 淳(滋賀医科大学 消化器内科), 稲富 理(滋賀医科大学 消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医科大学 消化器内科), 佐々木 雅也(滋賀医科大学 栄養治療部), 齋藤 康晴(滋賀医科大学 光学診療部), 安藤 朗(滋賀医科大学 大学院 消化器免疫分野), 藤山 佳秀(滋賀医科大学 消化器内科), 園田 寛道(滋賀医科大学 消化器外科), 清水 智治(滋賀医科大学 消化器外科), 谷 徹(滋賀医科大学 消化器外科)
抄録 【症例】36歳男性。29歳時に潰瘍性大腸炎(左半結腸型)と診断され、5-ASA内服を開始した。1年前より潰瘍性大腸炎の増悪を認め、ステロイド依存状態となったため、タクロリムス併用にてコントロールしていた。今回、腹痛と血便の増加を認め、腹部CT検査にて左半結腸の壁肥厚及び横行結腸に腸管気腫症、大網気腫症を認めた。潰瘍性大腸炎(中等症)の増悪及び腸管気腫症にて入院となった。絶食、TPN管理とし、プレドニゾロン(25mg/日)及びタクロリムス(0.07mg/kg/日)を開始し、抗生剤を併用した。下痢回数及び腹部症状は徐々に改善傾向であり、第16病日のCT検査では腸管気腫の改善も認めた。 下部内視鏡検査では、肝弯曲部より肛門側に多発潰瘍を認め、Matts grade 4と診断したが、潰瘍底は再生上皮に覆われており、治癒過程と考えられた。しかし、ステロイド依存状態であり、タクロリムス併用でも寛解と増悪を繰り返すことから、本人の希望もあり、手術加療を行った。術後経過良好であり、第33病日で退院となった。 【考察】 今回、潰瘍性大腸炎に腸管気腫症を合併した一例を経験した。腸管気腫症の原因については、機械説や化学説、感染説などが提唱されている。また、潰瘍性大腸炎に合併した症例も散見される程度で、報告はまれであり若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 腸管気腫症